夏目漱石 『吾輩は猫である』 [Gemini]
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夏目漱石 『吾輩は猫である』
「一体車屋と教師とはどっちがえらいだろう」…
「たんとでもねえが三四十はとったろう」…
「画はどうかね」…
「しかし冗談は冗談だが画というものは実際む…
「エヘヘヘ少し違った方角で」…
「なに二人とも去る所の令嬢ですよ、御存じの…
「それは利かないから飲まん」…
「あら猫が御雑煮を食べて踊を踊っている」…
「やあおめでとう、大層立派に御化粧が出来ま…
「一体あなたの所の御主人は何ですか」…
「三毛や三毛や御飯だよ」…
「いや黒君おめでとう。不相変元気がいいね」…
「ちょいと西川さん、おい西川さんてば、用が…
「それで面白い趣向があるから是非いっしょに…
「何迷亭が洋行なんかするもんですか、そりゃ…
「実は今日参りましたのは、少々先生に御願が…
「ええ」…
「仲居というのは娼家の下婢にあたるものです…
「それは飛んだ事で」…
「新年の御慶目出度申納候。……」…
「御医者様へ連れて行ったのかい」…
「何だかしくしく云うようだが……」…
「薄ぎたない猫」…
「何か新体詩でも作っているのかね。面白いの…
「巨人、引力」…
「巨人が地中に住む故に」…
「いや失敬。今大変な名文を拝聴してトチメン…
「たしか暮の二十七日と記憶しているがね。例…
「なるほど伺って見ると不思議な事でちょっと…
「どうも少し険呑のような気がしまして」…
「御苦労だった。出来たかえ」…
「ほんとに残念な事を致しましたね。始めはち…
「しかし猫でも坊さんの御経を読んでもらった…
「あなたちょっと」…
「また巨人引力かね」…
「なるほど踊りでもおどりそうな顔だ。奥さん…
「そんなにジャムを甞めるんですかまるで小供…
「この間などは赤ん坊にまで甞めさせまして……
「しかし奥さん」…
「奥さん、月並と云うのはね、まず年は二八か…
「まだいるのかはちと酷だな、すぐ帰るから待…
「少し後れまして」…
「つまり西洋洗濯屋のシャツのように女がぶら…
「やれやれ」…
「君、越智東風の高輪事件を聞いたかい」…
「どうも結構な御住居ですこと」…
「ちと伺いたい事があって、参ったんですが」…
「金田って人を知ってるか」…
「おや、あなたが牧山様の――何でいらっしゃ…
「じゃあ寒月の方で是非貰いたいとでも云った…
「寒月が御嬢さんに付け文でもしたんですか、…
「ハハハハハ」…
「あなたは寒月の方から御嬢さんに恋着したよ…
「そのほかになにか、分り易いものを勉強して…
「この天女の鼻が少し小さ過ぎるようですが」…
「はあ」…
「それから、どうした」…
「あの教師あ、うちの旦那の名を知らないのか…
「貧乏教師の癖に生意気じゃありませんか」…
「あいつは英語の教師かい」…
「御嬢様、旦那様と奥様が呼んでいらっしゃい…
「なるほどあの男が水島さんを教えた事がござ…
「あの苦沙弥と云う変物が、どう云う訳か水島…
「なるほど似ているな」…
「いつ出来たんだか覚えちゃいませんわ、禿な…
「さあ敷きたまえ。珍らしいな。いつ東京へ出…
「うん、こんな物までぶら下げなくちゃ、なら…
「だろうた判然しない言葉だ」…
「それじゃ、今度寒月が来たら、博士論文をか…
「可哀そうに、そんなに馬鹿にしたものでもな…
「株などはどうでも構わんが、僕は曾呂崎に一…
「本当に論文を書きかけたのか」…
「ちょっと乙だな、あんな者の子でも恋をする…
「君は何にも知らんからそうでもなかろうなど…
「何時頃かな」…
「それじゃ盗難の時刻は不明なんですな」…
「奥さん。よか天気でござります」…
「多々良さん、今日は御寿司を持って来て?」…
「あら多々良さんの頭は御母さまのように光か…
「先生泥棒に逢いなさったそうですな。なんち…
「先生教師などをしておったちゃとうていあか…
「奥さん、先生のところへ水島寒月と云う人が…
「おやいらしゃいまし」…
「朝日」…
「君大丈夫かい」…
「その鋏がどうして十四通りに使えます」…
「どうです」…
「さあどうぞ」…
「寒月君博士論文はもう脱稿するのかね」…
「ええなるべく珠ばかり磨っていたいんですが…
「昔は亭主に口返答なんかした女は、一人もな…
「仰せの通り方今の女生徒、令嬢などは自尊自…
「いや暑いのに、よく御出掛だね。さあずっと…
「それでその趣向と云うのは?」…
「何だい新体詩かね」…
「これは少々僕には解しかねる」…
「それぎりですか」…
「金さん、どうも、ここが痛んでいけねえが何…
「いやこう年をとっては駄目さね。人間もやき…
「箆棒に温るいや」…
「これはちと利き過ぎるようだ、どうも背中の…
「おい、その猫の頭をちょっと撲って見ろ」…
「おい」…
「もう一杯」…
「あれは本校の生徒です」…
「降参しねえか」…
「いえ泥棒ではありません。落雲館の生徒です…
「落雲館へ行って誰か連れてこい」…
「誰でも構わんから呼んで来いと云うのに、わ…
「只今御宅へ伺いましたところで、ちょうどよ…
「君少し顔色が悪いようだぜ、どうかしやせん…
「どうです」…
「こうやって、瞼を撫でていると、だんだん眼…
「あけるなら開いて御覧なさい。とうていあけ…
「そんなら君は何だい」…
「君西洋人にはあばたがあるかな」…
「おい冗談じゃない。何をしているんだ、御客…
「さあどうぞあれへ」…
「私ももとはこちらに屋敷も在って、永らく御…
「それにな。皆この甲割りへ目を着けるので」…
「なるほど」…
「あれが君の伯父さんか」…
「アハハハ君は刑事を大変尊敬するね。つねに…
「ともかくもあした行くつもりかい」…
「何だ騒々しい。起きると云えば起きるのだ」…
「さあ学校へおいで。遅くなりますよ」…
「叔母さん今日は」…
「あら雪江さんが来た」…
「あら、また坊ばちゃんの話だ」…
「どこへ行きたいの」…
「妙な徳利ね、そんなものを警察から貰ってい…
「おや驚ろいた。泥棒も進歩したのね。みんな…
「叔母さん、この油壺が珍品ですとさ。きたな…
「君は何とか云ったけな」…
「君遊びに来たのか」…
「話す事があるなら、早く話したらいいじゃな…
「実はその……困った事になっちまって……」…
「おい、御這入り」…
「やあ」…
「雪江さん、憚りさま、これを出して来て下さ…
「あら妙な人ね。寒月さんですよ。構やしない…
「先生障子を張り易えましたね。誰が張ったん…
「先生ありゃ生徒ですか」…
「ただはやらない。負けた方が何か奢るんだぜ…
「そうおいでになったと、よろしい。薫風南よ…
「実は四日ばかり前に国から帰って来たのです…
「さあ君の番だ」…
「屈原はいやですよ」…
「土地柄がすでに土地柄だのに、私の国のもの…
「だって一国中ことごとく黒ければ、黒い方で…
「私が毎日毎日店頭を散歩しているうちにとう…
「そうだろう、芸術家は本来多情多恨だから、…
「東風君、僕はその時こう思ったね。とうてい…
「思い切って飛び込んで、頭巾を被ったままヴ…
「羅甸語は分ってるが、何と読むのだい」…
「まだ音がしないもので露見した事がある。僕…
「ああ、眠かった。山上の白雲わが懶きに似た…
「いよいよ出たね」…
「不用意の際に人の懐中を抜くのがスリで、不…
「探偵と云えば二十世紀の人間はたいてい探偵…
「先生胃病は近来いいですか。こうやって、う…
「先生候補者がこれだけあるです。寒月君と東…
「ここにいる諸君を披露会に招待しますが、み…
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