GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』
現代語化
「そうなんですか？ははは」
「確か、お嬢さんの縁談のことでもいろいろお世話になったとか……」
「へぇー、そうなんですか」
「実は、あちこちから申し込んでもらってるんですが、うちの身分もありますし、どこでもいいってわけにはいかないんで……」
「ごもっともですね」
「それで、あなたに相談したかったんですけど」
「あなたのところによく来る水島寒月って人、どんな人ですか？」
「寒月のこと、何ですか？」
「やっぱりお嬢さんの結婚相手として、寒月君の性格を知りたいんでしょ」
「それがわかればありがたいんですけど……」
「じゃあ、お嬢さんを寒月にあげたいってことですか？」
「あげたいわけじゃねぇですよ」
「他からも話があるわけですから、無理に貰ってもらわなきゃ困りませんよ」
「それじゃ寒月のことなんて聞かなくてもいいでしょ」
「でも隠すわけないでしょ」
原文 (会話文抽出)
「おや、あなたが牧山様の――何でいらっしゃいますか、ちっとも存じませんで、はなはだ失礼を致しました。牧山様には始終御世話になると、宿で毎々御噂を致しております」
「へええ何、ハハハハ」
「たしか娘の縁辺の事につきましてもいろいろ牧山さまへ御心配を願いましたそうで……」
「へえー、そうですか」
「実は方々からくれくれと申し込はございますが、こちらの身分もあるものでございますから、滅多な所へも片付けられませんので……」
「ごもっともで」
「それについて、あなたに伺おうと思って上がったんですがね」
「あなたの所へ水島寒月という男が度々上がるそうですが、あの人は全体どんな風な人でしょう」
「寒月の事を聞いて、何にするんです」
「やはり御令嬢の御婚儀上の関係で、寒月君の性行の一斑を御承知になりたいという訳でしょう」
「それが伺えれば大変都合が宜しいのでございますが……」
「それじゃ、御令嬢を寒月におやりになりたいとおっしゃるんで」
「やりたいなんてえんじゃ無いんです」
「ほかにもだんだん口が有るんですから、無理に貰っていただかないだって困りゃしません」
「それじゃ寒月の事なんか聞かんでも好いでしょう」
「しかし御隠しなさる訳もないでしょう」