GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』
現代語化
「君は電気鉄道の株を持ってるのか?」
「今日は諸君からからかわれに来たようなものだ。いくら田舎者だって――こっちは街鉄の株を60株持ってるよ」
「それはバカにできないな。僕は888株半持ってたけど、残念なことにほとんど虫に食われて、今は半株くらいしかないんだ。もう少し早く君が東京に出てきてくれてれば、虫の食ってないところを10株くらいあげたのになぁ。惜しいことをした」
「相変わらず口が悪い。でも冗談は冗談として、ああいう株は持っておいて損はないよ。年々上がるばかりなんだから」
「そうだ。仮に半株だって千年も持っていれば、3つくらい倉が建つからね。君も僕もその辺は抜かりない今どきの才人だけど、そこに行くと苦沙弥などは哀れなものだ。株って言えば大根の兄弟分くらいに考えてるんだから」
原文 (会話文抽出)
「可哀そうに、そんなに馬鹿にしたものでもない」
「君電気鉄道へ乗ったか」
「今日は諸君からひやかされに来たようなものだ。なんぼ田舎者だって――これでも街鉄を六十株持ってるよ」
「そりゃ馬鹿に出来ないな。僕は八百八十八株半持っていたが、惜しい事に大方虫が喰ってしまって、今じゃ半株ばかりしかない。もう少し早く君が東京へ出てくれば、虫の喰わないところを十株ばかりやるところだったが惜しい事をした」
「相変らず口が悪るい。しかし冗談は冗談として、ああ云う株は持ってて損はないよ、年々高くなるばかりだから」
「そうだ仮令半株だって千年も持ってるうちにゃ倉が三つくらい建つからな。君も僕もその辺にぬかりはない当世の才子だが、そこへ行くと苦沙弥などは憐れなものだ。株と云えば大根の兄弟分くらいに考えているんだから」