夏目漱石 『吾輩は猫である』 「土地柄がすでに土地柄だのに、私の国のもの…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』

現代語化

「土地柄が頑固な上に、地元の生徒もすごく頑固で、ちょっとでも弱い生徒がいると、他県の生徒に恥ずかしいからって、やたらに厳しく指導したから、すごく大変でした」
「君の地元の学生って、ほんと話にならないね。そもそもなんで紺の無地の袴なんて穿いてるんだい?まずあれからしておかしいよ。それに潮風に吹かれてるせいか、どうも黒いよね。男だからあれでいいけど、女だったら困るでしょ」
「女もあんなに黒いです」
「それでよく結婚できるね」
「だって国中みんな黒いんだから、仕方がありません」
「大変だね。ねえ苦沙弥君」
「黒い方がいいだろう。生まれつき白いと、鏡を見るたびにナルシストになっちゃって外に出られないよ。女ってのは始末に負えないものだなあ」

原文 (会話文抽出)

「土地柄がすでに土地柄だのに、私の国のものがまた非常に頑固なので、少しでも柔弱なものがおっては、他県の生徒に外聞がわるいと云って、むやみに制裁を厳重にしましたから、ずいぶん厄介でした」
「君の国の書生と来たら、本当に話せないね。元来何だって、紺の無地の袴なんぞ穿くんだい。第一あれからして乙だね。そうして塩風に吹かれつけているせいか、どうも、色が黒いね。男だからあれで済むが女があれじゃさぞかし困るだろう」
「女もあの通り黒いのです」
「それでよく貰い手があるね」
「だって一国中ことごとく黒いのだから仕方がありません」
「因果だね。ねえ苦沙弥君」
「黒い方がいいだろう。生じ白いと鏡を見るたんびに己惚が出ていけない。女と云うものは始末におえない物件だからなあ」


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