夏目漱石 『吾輩は猫である』 「先生候補者がこれだけあるです。寒月君と東…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』

現代語化

「やっぱ先生候補がいっぱいいるっすね。寒月か東風に誰かに紹介してもらいたいんだけど」
「いいですね。ぜひ頼みましょう」
「これでもいけます?」
「それもいいっすね。ぜひお願いします」
「どれがですか?」
「どれでもいいっす」
「あんたってほんとモテるね。先生、こっちは博士の姪っ子ですよ」
「そうなんだ」
「性格は最高だし、若いよ。17歳だってさ。そんでもって、持参金が1000円あるんだ」
「こっちのは知事の娘だけど」
「それ全部もらえないの?」
「全部はさすがに欲張りすぎ。あんた一夫多妻派なの?」
「多妻派じゃないけど、肉食系男子っす」
「何でもいいから、そんなことはさっさとやめなよ」
「じゃあ、どれももらわないで」
「あれ何のビール?」
「お土産っす。お祝い用に角の酒屋で買ってきたんで。一杯飲んでってください」

原文 (会話文抽出)

「先生候補者がこれだけあるです。寒月君と東風君にこのうちどれか御礼に周旋してもいいです。こりゃどうです」
「いいですね。是非周旋を願いましょう」
「これでもいいですか」
「それもいいですね。是非周旋して下さい」
「どれをです」
「どれでもいいです」
「君なかなか多情ですね。先生、これは博士の姪です」
「そうか」
「この方は性質が極いいです。年も若いです。これで十七です。――これなら持参金が千円あります。――こっちのは知事の娘です」
「それをみんな貰う訳にゃいかないでしょうか」
「みんなですか、それはあまり慾張りたい。君一夫多妻主義ですか」
「多妻主義じゃないですが、肉食論者です」
「何でもいいから、そんなものは早くしまったら、よかろう」
「それじゃ、どれも貰わんですね」
「何だいそのビールは」
「お見やげでござります。前祝に角の酒屋で買うて来ました。一つ飲んで下さい」


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