GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』
現代語化
「おや、君か」
「おや君かもないだろう。そこにいるなら声をかければいいのに、まるで空き家のようだ」
「うん、ちょっと考え事してたんだ」
「考えてたって、通りますくらいは言えるだろう」
「言えないこともないよ」
「相も変わらず図太いね」
「こないだから精神修養に力入れてるんだもん」
「バカみたい。精神修養して返事もできなくなったら、お客さんは大変だよ。そんなに落ちつかれちゃ困るんだ。実は僕一人できたんじゃないんだ。すごいお客さんを連れてきたんだよ。ちょっと会ってくれないか」
「誰を連れてきたんだよ」
「誰でもいいからちょっと会ってくれよ。ぜひ君に会いたいって言ってたから」
「誰だよ」
「誰でもいいから立ってろよ」
「またからかうつもりだろう」
原文 (会話文抽出)
「おい冗談じゃない。何をしているんだ、御客さんだよ」
「おや君か」
「おや君かもないもんだ。そこにいるなら何とか云えばいいのに、まるで空家のようじゃないか」
「うん、ちと考え事があるもんだから」
「考えていたって通れくらいは云えるだろう」
「云えん事もないさ」
「相変らず度胸がいいね」
「せんだってから精神の修養を力めているんだもの」
「物好きだな。精神を修養して返事が出来なくなった日には来客は御難だね。そんなに落ちつかれちゃ困るんだぜ。実は僕一人来たんじゃないよ。大変な御客さんを連れて来たんだよ。ちょっと出て逢ってくれ給え」
「誰を連れて来たんだい」
「誰でもいいからちょっと出て逢ってくれたまえ。是非君に逢いたいと云うんだから」
「誰だい」
「誰でもいいから立ちたまえ」
「また人を担ぐつもりだろう」