夏目漱石 『吾輩は猫である』 「先生泥棒に逢いなさったそうですな。なんち…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』

現代語化

「先生、泥棒に入られたって本当ですか?なんてバカな話」
「入るほうがバカなんだよ」
「入るほうもバカだけど、取られるほうも賢くないでしょ」
「何も取られるものが無い多々良さんみたいなのが一番賢いんでしょうね」
「でも一番バカなのはこの猫ですよ。本当に、どういうつもりなんだろう。ネズミも捕らないし、泥棒が来ても知らん顔してる。――先生、この猫をくださいよ。ここにいても何の役にも立たないです」
「あげてもいいよ。どうするの?」
「煮て食べます」

原文 (会話文抽出)

「先生泥棒に逢いなさったそうですな。なんちゅ愚な事です」
「這入る奴が愚なんだ」
「這入る方も愚だばってんが、取られた方もあまり賢こくはなかごたる」
「何にも取られるものの無い多々良さんのようなのが一番賢こいんでしょう」
「しかし一番愚なのはこの猫ですばい。ほんにまあ、どう云う了見じゃろう。鼠は捕らず泥棒が来ても知らん顔をしている。――先生この猫を私にくんなさらんか。こうしておいたっちゃ何の役にも立ちませんばい」
「やっても好い。何にするんだ」
「煮て喰べます」


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