夏目漱石 『吾輩は猫である』 「いや暑いのに、よく御出掛だね。さあずっと…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』

現代語化

「いや、暑いのにわざわざ来てくれて。さあ、こっちへどうぞ」
「先生とはだいぶお会いしてませんね」
「そうだな、確かこの春の朗読会以来だったね。朗読会と言えば、最近はやはり盛況ですか。その後、お宮にはなりませんか。あれは良かったですよ。僕は大拍手しましたよ。君、気づいてた?」
「ええ、おかげでだいぶ勇気が出まして、なんとか最後までやり遂げることができました」
「次はいつ開催しますか?」
「7、8月は休んで、9月には何か盛大にやりたいと思っています。何か面白い趣向があればいいのですが」
「さよう」
「東風君、僕の創作を発表しませんか?」
「君の創作なら面白いだろうけど、一体何なの?」
「脚本です」
「脚本は大したものですね。喜劇ですか、悲劇ですか?」
「喜劇でも悲劇でもないんです。最近は旧劇や新劇とかうるさいので、僕も一つ新しい方向性を出して『俳劇』というのを書いてみました」
「俳劇ってどんなものですか?」
「俳句の趣向を劇にしたのを縮めて、俳劇という2文字にしたんです」

原文 (会話文抽出)

「いや暑いのに、よく御出掛だね。さあずっと、こっちへ通りたまえ」
「先生には大分久しく御目にかかりません」
「そうさ、たしかこの春の朗読会ぎりだったね。朗読会と云えば近頃はやはり御盛かね。その後御宮にゃなりませんか。あれは旨かったよ。僕は大に拍手したぜ、君気が付いてたかい」
「ええ御蔭で大きに勇気が出まして、とうとうしまいまで漕ぎつけました」
「今度はいつ御催しがありますか」
「七八両月は休んで九月には何か賑やかにやりたいと思っております。何か面白い趣向はございますまいか」
「さよう」
「東風君僕の創作を一つやらないか」
「君の創作なら面白いものだろうが、一体何かね」
「脚本さ」
「脚本はえらい。喜劇かい悲劇かい」
「なに喜劇でも悲劇でもないさ。近頃は旧劇とか新劇とか大部やかましいから、僕も一つ新機軸を出して俳劇と云うのを作って見たのさ」
「俳劇たどんなものだい」
「俳句趣味の劇と云うのを詰めて俳劇の二字にしたのさ」


青空文庫現代語化 Home リスト