GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』
現代語化
「いや、それはちょっと僕の言い方が悪かった。娘さんの方も確かに乗り気なんだよ。いや、マジで――え?奥さんが僕にそう言ってたよ。なんでも時々寒月君の悪口を言うこともあるんだって」
「あの娘が?」
「ああ」
「とんでもない奴だな、悪口を言うなんて。それはじゃあ寒月には気はないんじゃないか?」
「そこがさ、世の中は妙なもので、自分の好きな人の悪口などは特に言ってみたりするからね」
「そんなアホがどこにるものか」
「そのアホが世の中にはたくさんいるから仕方がない。例えば金田の奥さんもそう解釈してるんだ。戸惑った糸瓜みたいだって、時々寒月さんの悪口を言うから、きっと心の中では思ってるに違いないって」
原文 (会話文抽出)
「だろうた判然しない言葉だ」
「いや、これゃちょっと僕の云いようがわるかった。令嬢の方でもたしかに意があるんだよ。いえ全くだよ――え?――細君が僕にそう云ったよ。何でも時々は寒月君の悪口を云う事もあるそうだがね」
「あの娘がか」
「ああ」
「怪しからん奴だ、悪口を云うなんて。第一それじゃ寒月に意がないんじゃないか」
「そこがさ、世の中は妙なもので、自分の好いている人の悪口などは殊更云って見る事もあるからね」
「そんな愚な奴がどこの国にいるものか」
「その愚な奴が随分世の中にゃあるから仕方がない。現に金田の妻君もそう解釈しているのさ。戸惑いをした糸瓜のようだなんて、時々寒月さんの悪口を云いますから、よっぽど心の中では思ってるに相違ありませんと」