夏目漱石 『吾輩は猫である』 「巨人が地中に住む故に」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』

現代語化

「巨人は地中に住んでいるから」
「彼は巨人、引力。彼は強い。あらゆるものを自分に引き付ける。彼は家を地上に引き寄せる。引き寄せないと家が飛んでしまう。子供たちも飛んでしまう。葉が落ちるのをを見たろう?あれは巨人、引力が呼んでるんだ。本を落とすことがあるだろう?あれは巨人、引力が呼んでるから。ボールが空中に上がる。巨人、引力が呼んでる。呼べば落ちてくる」
「これで終わり?」
「なによ、もっとあるじゃないか」
「いや、これは恐れ入った。飛んだところでイカの恩返しをもらったよ」
「恩返しじゃないよ。本当にいい文章だったから訳してみただけ。君もそう思わないかい?」
「びっくりしたよ。あなたがこんな文章書けるとは。今回はすっかり見くびってたよ。降参、降参」
「あなたを降参させようと思って書いたわけじゃないよ。面白そうな文章だと思ったから訳してみただけ」
「いや、本当に面白い。こうでなくっちゃ。すごいよ。感心したよ」
「そんなに感心してもらわなくてもいいよ。僕も最近水彩画をやめたから、その代わりに文章でも書いてみようかなと思って」
「どうして?遠近も色も関係ない水彩画なんかとは比べ物にならないよ。見事だよ」
「そんなに褒めてくれるとやる気も出るよ」

原文 (会話文抽出)

「巨人が地中に住む故に」
「彼は巨人引力である。彼は強い。彼は万物を己れの方へと引く。彼は家屋を地上に引く。引かねば飛んでしまう。小児も飛んでしまう。葉が落ちるのを見たろう。あれは巨人引力が呼ぶのである。本を落す事があろう。巨人引力が来いというからである。球が空にあがる。巨人引力は呼ぶ。呼ぶと落ちてくる」
「それぎりかい」
「むむ、甘いじゃないか」
「いやこれは恐れ入った。飛んだところでトチメンボーの御返礼に預った」
「御返礼でもなんでもないさ、実際うまいから訳して見たのさ、君はそう思わんかね」
「どうも驚ろいたね。君にしてこの伎倆あらんとは、全く此度という今度は担がれたよ、降参降参」
「何も君を降参させる考えはないさ。ただ面白い文章だと思ったから訳して見たばかりさ」
「いや実に面白い。そう来なくっちゃ本ものでない。凄いものだ。恐縮だ」
「そんなに恐縮するには及ばん。僕も近頃は水彩画をやめたから、その代りに文章でもやろうと思ってね」
「どうして遠近無差別黒白平等の水彩画の比じゃない。感服の至りだよ」
「そうほめてくれると僕も乗り気になる」


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