夏目漱石 『吾輩は猫である』 「どうです」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』

現代語化

「どうですか?」
「どうですか?」
「先生、ダメみたいです」
「え、そんなことってありますか?」
「そもそも医者の薬って効くんでしょうか?」
「効かないことはないですよ」
「僕の胃病なんか、いくら薬を飲んでも同じです」
「そんなことはありません」
「ないんですか。少しは良くなりますかね?」
「すぐに治るわけではありませんが、徐々に効いてきます。今はもうだいぶ良くなっていますよ」
「そうなんですか?」
「やはりイライラしますか?」
「しますよ。夢の中でもイライラします」
「運動でもすればいいですよ」
「運動すると、逆にイライラします」
「じゃあ拝見してみましょう」
「先生、こないだ催眠術の本を読んだら、催眠術を使えば悪い癖や病気も直せると書いてありましたけど、本当ですか?」
「そういう治療法もあります」
「今は使われてるんですか?」
「ええ」
「催眠術をかけるのは難しいんですか?」
「簡単ですよ。私もよくかけます」
「先生もですか?」
「ええ、一つやってみませんか。誰にでもかかるはずなので。あなたさえよければかけてみましょう」
「それは面白い。一度かけてください。僕も前からかけてみたかったんです。でも、かけられたまま目が覚めなかったら困るな」
「大丈夫ですよ。ではやりましょう」

原文 (会話文抽出)

「どうです」
「どうです」
「先生どうも駄目ですよ」
「え、何そんな事があるものですか」
「一体医者の薬は利くものでしょうか」
「利かん事もないです」
「私の胃病なんか、いくら薬を飲んでも同じ事ですぜ」
「決して、そんな事はない」
「ないですかな。少しは善くなりますかな」
「そう急には、癒りません、だんだん利きます。今でももとより大分よくなっています」
「そうですかな」
「やはり肝癪が起りますか」
「起りますとも、夢にまで肝癪を起します」
「運動でも、少しなさったらいいでしょう」
「運動すると、なお肝癪が起ります」
「どれ一つ拝見しましょうか」
「先生、せんだって催眠術のかいてある本を読んだら、催眠術を応用して手癖のわるいんだの、いろいろな病気だのを直す事が出来ると書いてあったですが、本当でしょうか」
「ええ、そう云う療法もあります」
「今でもやるんですか」
「ええ」
「催眠術をかけるのはむずかしいものでしょうか」
「なに訳はありません、私などもよく懸けます」
「先生もやるんですか」
「ええ、一つやって見ましょうか。誰でも懸らなければならん理窟のものです。あなたさえ善ければ懸けて見ましょう」
「そいつは面白い、一つ懸けて下さい。私もとうから懸かって見たいと思ったんです。しかし懸かりきりで眼が覚めないと困るな」
「なに大丈夫です。それじゃやりましょう」


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