GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『吾輩は猫である』
現代語化
「ラブレターじゃないんです。もっとすごいんです。お二人とも知ってるでしょ?」
「お前知ってるのか?」
「僕は知りませんよ。知ってたらお前だろ」
「いや、お二人とも知ってますって」
「へぇー」
「忘れたんなら俺が話してやるよ。去年の年末に、向島の阿部さんの家で演奏会があっただろ?寒月も行ったじゃん。その帰り、吾妻橋で何かあったんだろ?細かいことは言わないけど、本人たちが困るかもしれないから。それだけの証拠があるんだから、十分だと思うけど、どうかな」
原文 (会話文抽出)
「寒月が御嬢さんに付け文でもしたんですか、こりゃ愉快だ、新年になって逸話がまた一つ殖えて話しの好材料になる」
「付け文じゃないんです、もっと烈しいんでさあ、御二人とも御承知じゃありませんか」
「君知ってるか」
「僕は知らん、知っていりゃ君だ」
「いえ御両人共御存じの事ですよ」
「へえー」
「御忘れになったら私しから御話をしましょう。去年の暮向島の阿部さんの御屋敷で演奏会があって寒月さんも出掛けたじゃありませんか、その晩帰りに吾妻橋で何かあったでしょう――詳しい事は言いますまい、当人の御迷惑になるかも知れませんから――あれだけの証拠がありゃ充分だと思いますが、どんなものでしょう」