三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 [Gemini]

三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

• 「千代」…
• 「これ千代、それ道具棚にある糊付板を此処へ…
• 「是で八枚で、九枚で十枚十一枚十二枚十三枚…
• 「へえ御免なせえまし、私は千代の受人丹治で…
• 「何卒お待ちなすって下せえまし」…
• 「お母様、是れには種々理由がありますんで、…
• 「はい少々御免下さいまし、權六申上げます」…
• 「手前は全く千代に惚れたか」…
• 「旦那さま、貴方は実にお気の毒さまでごぜえ…
• 「貴方何をなさりやアす」…
• 「是れは權六、来たかえ、さア此方へ入んな」…
• 「えゝ、お召によりまして權六お次まで控えさ…
• 「そんならば私を呼ばねえば宜いんだ」…
• 「どうも骨格が違うの、是は妙だ、權六其の方…
• 「成程左様じゃ、至極左様じゃ、正道潔白な事…
• 「棄置かれん奴」…
• 「大藏さん／＼」…
• 「お互いに是は思い掛けない、縁と云うものは…
• 「彼は」…
• 「これ／＼女中」…
• 「これ怪しからん奴だ、やい下ろ、二階へ上る…
• 「はい御免下せえまし」…
• 「さア何時までべん／＼と棄置くのだ、二階へ…
• 「えゝ卒爾ながら手前は此の隣席に食事を致し…
• 「御免を……」…
• 「どうか御勘弁を願います、それゆえ身不肖な…
• 「うゝーん」…
• 「あっ……」…
• 「斯ようの中ゆえ拙者の姓名等も申上げず、恐…
• 「あ此家だ、喜六一寸其の玄関口で訪れて、松…
• 「え、おいでなさえまし、何でござえます」…
• 「先ず御機嫌宜しゅう、えゝ過日は図らずも飛…
• 「一盃飲むが宜い、今日は雪が降って寒いから…
• 「春部さま、春部さま」…
• 「もし／＼春部さま／＼」…
• 「女中今少しお話し申す事があるから、誰も此…
• 「成程甚だ恐入りますが、殿様も誠に御仁慈厚…
• 「是は私の功かと存じます、此の功によってお…
• 「えゝ今日お召によって取敢ず罷り出ました、…
• 「これ源兵衞、手前は何のために血判をいたし…
• 「林藏、大きに御苦労／＼」…
• 「ひえへゝゝ是はどうも面白え、やりたいよう…
• 「えゝい、人間は何処で何う運が来るか分らね…
• 「何だよ、其様なものを出してはいけないよ、…
• 「あゝ痛え、何で打った、呆れて物が云われね…
• 「林藏じゃアねえか」…
• 「お帰り遊ばせ」…
• 「御酒は召上っていらっしゃいましたろうが、…
• 「はあー……お菊先程林藏が先へ帰ったろう」…
• 「まア待て、待て／＼、名を書くのに松蔭と書…
• 「あゝ酔った」…
• 「菊々」…
• 「林藏や、林藏寝たか林藏……」…
• 「これ／＼此処へ通せ、老爺此処へ入れ」…
• 「春部さま」…
• 「これ有助」…
• 「何うした、足を痛めたのか」…
• 「えゝもし……其処においでのお方」…
• 「これ若、もう物を云わずさっさと出て往け」…
• 「ウヽーン」…
• 「気が付いたか」…
• 「祖五郎も少し進みますように」…
• 「マヽ役目は是だけじゃが、祖五郎如何にもお…
• 「忠平手前は些とも寝ないのう、ちょいと寝な…
• 「へえ……お嬢さま、私だけはどうかお供仰付…
• 「御免なさい」…
• 「ウーン、ウーン」…
• 「誰だ」…
• 「へえ参ります」…
• 「はてな、此方にいるのは女のような声柄がい…
• 「と何ういう事の……」…
• 「黙れ、何だ斯様のものを以て何の云訳になる…
• 「あの忠平や」…
• 「父さま、今帰ったよ」…
• 「はい、御免なせえまし」…
• 「はい、御免下せえ」…
• 「あれまア、馬めえ暴れやアがる、久藏眠った…
• 「成れたって……成る手がゝりがねえ」…
• 「お早うございます」…
• 「お客さん……お客さん……眠ったかね、お客…
• 「それは誠にお気の毒な事をしましたね」…
• 「あの斯うしておくれな私のようなものをそれ…
• 「御免なさいまし」…
• 「えゝ、お戒名は如何さま好いお戒名で、うゝ…
• 「やい太い奴だ、これ苟めにも旅籠を取れば客…
• 「お前は此の宿屋の亭主か」…
• 「其様な事は面白くない」…
• 「もし／＼州様／＼／＼（揺起す）」…
• 「はい、おいでなさい」…
• 「なに本当に知っている訳じゃアごぜえやせん…
• 「州さん、あなたは怪しからぬお方で、御出家…
• 「お前一人は殺しはせん、私も一緒に死んで、…
• 「いつもの婆がまいりました、あの大きな籠を…
• 「誠に思い掛ない処で、御機嫌宜しゅう」…
• 「其の人は何処の者か」…
• 「うむ、宜く言ってくれた、私も然うだろうと…
• 「定や／＼」…
• 「御免遊ばして」…
• 「大層好い縞だの」…
• 「手伝っておくれ、解いて見よう、綿は何様な…
• 「毎日／＼お夜詰は誠にお苦労な事だと、蔭な…
• 「定」…
• 「旦那さま、あのお縫どんを連れてまいりまし…
• 「上……上」…
• 「お上屋敷からのお遣い物で」…
• 「はア……誠にどうも」…
• 「惣衞／＼」…
• 「御意にござります」…
• 「何じゃ／＼」…
• 「何を遊ばすの、御病中お高声はお宜しく有り…
• 「相成りません」…
• 「喜一郎、毒味には及ばん」…
• 「放せ」…
• 「神原五郎治代弟四郎治、遠山權六役目の儀ゆ…
• 「むゝう、權六の申す所一応は道理じゃが、殿…
• 「さ、これへ」…
• 「うん、成程是は分った、大福暖かいか」…
• 「お前のお蔭で私は斯様な面白い事に逢ったの…
• 「大きに御苦労／＼、さア／＼こゝへ来て、ず…
• 「春部梅三郎は腰元の若江と密通して逃げたと…
• 「御家老さま怪しからん事を仰せられます、思…
• 「爪印を押せ、其処へ」…