三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 「もし/\春部さま/\」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

現代語化

「もし、春部様」
「おや、これは大蔵殿か」
「はい。今日はよく晴れましたね。お休みですか?」
「ああ、幸いにもお休みなので、浅草でも行こうかと思う」
「私も今日はお休みで、特に知り合いもいませんし、まだこの辺りの様子もよく分かりません。道を覚えておかないといけないので、せめて小梅の大名屋敷への行き方だけでも覚えておこうと思って、浅草から小梅の方へ行こうと思っていたんです。それで、お誘い合わせして参りました」
「そうか。三作はお前の相役だな?」
「はい。そうです。あの、春部様。少しお尋ねしたいことがあるのですが、決してご迷惑はかけませんから。あの無極庵(有名な蕎麦屋)まで。あの、おごりというのは大変失礼な話ですが、ちょっとお聞きしたいことがありまして。お急ぎでなければ、無極の2階までお越しください」
「別に急ぎもしないが、何かおごりを受けるのは困るな。お前は部下にしょっちゅうおごっているという噂があるが、あまり新任中に派手なことをするのはよくないと叔父も心配している」
「はい。いつも秋月様、渡辺様の引き立てのおかげで、私のような者が身に余る役職を仰せつかっているのです。本当にありがたいことです。決してご迷惑はかけませんから」
「いや、またそうやって」
「どうか大変失礼でございますが、何卒お願いします。お屋敷のことについてお伺いしたいことが少しあります」
「そうなのか」

原文 (会話文抽出)

「もし/\春部さま/\」
「あい、これは大藏殿かえ」
「へえ、今日は好いお天気になりました、お非番でげすか」
「あゝ幸い非番ゆえ浅草へでもまいろうかと思う」
「へえ私も今日は非番で、ま別に知己もありませんし、未だ当地の様子も不慣でございますから、道を覚えて置かなければなりません、切めて小梅のお中屋敷へまいる道だけでも覚えようと存じて、浅草から小梅の方へまいろうと存じまして、実は頼合せてまいりました」
「然うかえ、三作はお前の相役だね」
「へえ左様でござります、えゝ春部さま、貴方少々伺いたい儀がござりますが、決してお手間は取らせませんから、あの無極庵(有名の蕎麦店)まで、えへ貴方少々御馳走に差上げるというは甚だ御無礼な儀でござりますが、一寸伺いたい儀がござりますから、お急ぎでなければ無極の二階までおいでを願います」
「別に急ぎも致さんが、何か馳走をされては困ります、お前は大分下役の者へ馳走をして振舞うという噂があるが余り新役中に華美な事をせんが宜いと伯父も心配しています」
「へえ、毎度秋月さま渡邊さまのお引立に因りまして、不肖の私が身に余る重役を仰付けられ、誠に有難いことで決してお手間は取らせませんから」
「いや又にいたそう」
「どうか甚だ御無礼でございますが何卒願います、少々お屋敷の御家風の事に就て伺いたい儀がございます」
「左様か」


青空文庫現代語化 Home リスト