三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 「忠平手前は些とも寝ないのう、ちょいと寝な…

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青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

現代語化

「忠平、お前は全然寝ないんだね。ちょっと寝なさいよ」
「いえ、眠くも何ともありません」
「姉さんと昨日のうちにいろいろ話したんだけど、屋敷にずっといるわけにもいかないから、こんなふうに全部の道具を処分してしまったんだ。でも、またすぐに帰る時節も来るだろうと思って、大切な品物は特別に親しくお付き合いしている出入町の家の預けておいたんだけど、姉さんと一緒に喜六を頼って信州に行くつもりだ。お前も長く奉公してくれたけど、親父もあの通りだんだんと年をとるし、菊はああいうことになったし、お前だけはどうってことないだろうけど、これは何の足しにもならないかもしれないけど、お父さんの普段お召しになっていた、ちょっとした気持ちばかりの品です。受けてください。今までお前にもよく働いてもらったし、お父さんが亡くなった後もいろいろ面倒を見てくれて、私はまだ若いのに、姉さんは何もわかっていなくてどうしたらいいか本当に心配だったんだけど、全部お前がとりしきってしてくれて、本当にありがたい。この品はほんの気持ちばかりです……また時が来て屋敷に帰ることになったら、相変わらず屋敷に来てください。この品だけはお納めください」
「はい、本当にありがとうございます」
「お前にも会いたいんだけど、立つ時はこっそりと立ちたいと思うから、親父にそう言ってくれ」

原文 (会話文抽出)

「忠平手前は些とも寝ないのう、ちょいと寝なよ」
「いえ眠くも何ともございません」
「姉様と昨夜のう種々お話をしたが、屋敷に長くいる訳にもいかんから、此の通り諸道具を引払ってしまった、併し又再び帰る時節もあろうからと思い、大切な品は極別懇にいたす出入町人の家へ預けて置いたが、姉様と倶に喜六を便って信州へ立越る積りだ、手前も長く奉公してくれたが、親父も彼の通り追々老る年だし、菊はあゝ云う訳になったし、手前だけは別の事だから、こりゃア何の足しにもなるまいが、お父さまの御不断召だ、聊か心ばかりの品、受けて下さい、是まで段々手前にも宜く勤めて貰い、お父さまが亡い後も種々骨を折ってくれ、私は年が往かんのに、姉様は何事もお心得がないから何うして宜いかと誠に心配していたが、万事手前が取仕切ってしてくれ、誠に辱ない、此品はほんの志ばかりだ……また時が来て屋敷へ帰ることもあったら、相変らず屋敷へ来て貰いたい、此品だけを納めて下さい」
「へえ誠に有難う……」
「手前どうぞ岩吉にも会いたいけれども、立つ時はこっそりと立ちたいと思うから、よく親父にそう云っておくれよ」


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