三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 「はい、御免なせえまし」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

現代語化

「はい、失礼します」
「おばさん、大変御苦労だったね。また夜に来てね。お客が泊まってなくても、夜また遊んでたら来てよ」
「はい。さっきはあそこの二人の病人のところへ行ってきました」
「ああ、お前が行ってくれなきゃ、あっちも困ってたんだろうな」
「そうなんですけど、若い娘さんが一人で看病していて、しかも病人さんは男性だから、水を飲みにいくのも大騒ぎで、本当に気の毒でした。さっき亡くなりましたよ」
「え、死んじゃったのか……困ったなあ。だから言ったのに、聞いてないんだよ。どうなってるんだ」
「娘さんが号泣しています。あまり泣かない方がいいですよ、身体に障りますから。諦めてくださいと言ったら、『私は彼に死なれたら、年も若くて行くところもないので、心細いです。ああどうしよう』って泣いてます。本当に気の毒です」
「はあ、困ったもんだ」
「ちょっと行ってみましょうか」
「お前は行かなくてもいいよ」
「行かなくてもいいでしょうけど、お悔みにくらい行ってもいいでしょう」
「うるさいな。いつもあの子のところばっかり行きたがる。勝手にしろ」

原文 (会話文抽出)

「はい、御免なせえまし」
「おい婆さん大きに御苦労よ、お前又晩に来てくんろよ、客の泊りも無いが、又晩には遊んで居るだろうから、ま来なよ」
「はい、あの只今ね彼処のそれ二人連の病人の処へめえりました」
「おゝ、お前が行ってくれねえと、先方でも困るんだ」
「それが年のいかない娘子一人で看病するだから、病人は男だし、手水に行くたって大騒ぎで、誠に可愛想でがんすが、只た今おっ死にましたよ」
「え、死んだと……困ったなアそれ見ろ、だから云わねえ事じゃアねえ、何様な様子だ」
「何様にも何にも娘子が声をあげて泣いてるだよ、あんた余り泣きなすって身体へ障るとなんねえから、泣かねえが宜うがんすよ、諦めねえば仕様がねえと云うと、私は彼に死なれると、年もいかないで往く処も無え、誠に心細うがんす、あゝ何うすべいと泣くだね、誠に気の毒な訳で」
「はアー困ったもんだな」
「私え、ちょっくら行って来よう」
「なに手前は行かなくっても宜い」
「行かなくっても宜いたって、悔みぐらいに行ったって宜かんべい」
「えゝい、何ぞというと彼の娘の処へ計り行きたがりやアがる、勝手にしろ」


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