三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 「成程左様じゃ、至極左様じゃ、正道潔白な事…

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青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

現代語化

「なるほどそうか。その通りだ。筋が通っている。権六、これからは私が困ったことがあったら、お前が諫言しろ。それが君臣の道だ。よし、許すからここにいろ」
「あなたがそうおっしゃっていただけるなら、居させていただきます」
「すぐに承知してくれてありがたい。しかし、お前は剣もできず、字も読めないだろう?私のそばにいるのは、どう君臣の道を全うして奉公するつもりだ?」
「他にできることはありませんが、夜中に乱暴な奴が入れないように、寝ずに御殿の周りを内緒で見回っています。もし狐が出たら殺そうと思っています」
「なるほど。だが、戦国時代になって戦争が起きたら、味方が次々と敗走して敵兵が本陣まで攻め込んできた時、敵兵が私に槍を向けてきたらどうする?」
「そこですよね、そこが大事なんです」
「どうやって私を助けるんだ?」
「そのときには、あなたに一つありますよ」
「忠義という刃物があるから、剣術はできなくても義という鎧を着ているので、敵が槍であなたに突進してきたら、私は手で受けて、一本脇腹に突き刺させて、敵を捻り倒して殺します。その間にあなたを助けて逃がすだけの時間を作りますよ」
「なるほど、立派なことだ。しかし、そんなに口で言うようにうまくいくかな?」
「必ず実行します。そこは主従の情だから」
「面白い奴だ。では、敵がこのようにしてきたらどうする?」

原文 (会話文抽出)

「成程左様じゃ、至極左様じゃ、正道潔白な事じゃ、これ權六、以来予に悪いことが有ったら其の方諫言を致せ、是が君臣の道じゃ、宜しい、許すから居てくれ」
「尊公がそれせえ御承知なら居ります」
「早速の承知で過分に思う、併し其の方は剣道も心得ず、文字も知らんで、予の側に居るのは、何を以て君臣の道を立て奉公を致す心得じゃ」
「他に心得はねえが、夜夜中乱暴な奴が入るとなりませんから、私ゃア寝ずに御殿の周囲を内証で見廻っていますよ、もし狐でも出れば打殺そうと思ってます」
「うん、じゃが戦国の世になって戦争の起った時に、若し味方の者が追々敗走して敵兵が旗下まで切込んでまいり、敵兵が予に槍でも向けた時は何う致す」
「然うさね、其処が大切だ」
「さ何う致して予を助ける」
「そりゃア尊公どうも此処に一つ」
「忠義という刄物が有るから、剣術は知らねえでも義という鎧を着ているから、敵が槍で尊公に突掛けて参れば、私ア掌で受けるだ、一本脇腹へ突込まして、敵を捻り倒して打殺してやるだ、其の内に尊公を助けて逃がすだけの仕事よ」
「うん成程、立派な事だ、併し然う甘く口でいう通りに行くかな」
「屹度行ります、其処は主家来の情合だからね」
「うん面白い奴じゃ、然らば敵が若し斯様に致したら何うする」


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