三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 「はい御免下せえまし」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

現代語化

「はい、申し訳ありません」
「おや、喜六か?こちらへ来い」
「はい。本当に申し訳ありませんでした。悪い奴にお荷物を奪われて」
「困ったものだな。なぜ草履を懐に入れて2階に上がったんだ?草履を懐に入れて上に上がるなんてことがあるか?」
「はい。田舎者なので何も心得ていません」
「心得ていなくても、向こうが立腹するのは当然だ。食べ物の中に泥草履を投げ込まれたら、誰でも立腹するのは当然のことだ。それからどうした?」
「ええと、3人とも意地悪な奴ばかりで、「家来の不調法は主人の不調法だから、他人の目を気にして2階にいることはできない。ここに来て代わって謝罪したら、許してやる」と言って、お荷物を奪い取りました。渡さないと強く押さえると、あんた、近くにいた奴が私の頭を叩いて無理やり奪い取りました。大切なものが入っているんじゃないかと心配しています」
「何も入っていない空の風呂敷だが、不調法をして謝らないわけにもいかない。自分のこととして出ると、「私は粂野美作守家臣の渡辺織江と申します」と、こう名前を明かさなければならん。私の名前はどうでもいいが、ご主人の名前を汚すことになったら本当に済まないことだ。お前は長く奉公しているのに、田舎者の習慣が抜けきらない男だ。本当に困ったもんだ」
「ええ、本当に困りました。そんなにすると、私が頭が5つくらいになってしまいます」
「殴られながら数を数える奴がいるか?」
「あまり悔しいです。真ん中にいた奴の殴りが一番痛かったです」
「本当に困ったな」
「お父様、こうしましょうか?あなたが酔っ払っているところに現れるより、私は女のことなので取り上げないでしょうから、私が出てみましょうか?」
「いや、自分がいなければいいが、自分がいてそなたを出すのはよくない」
「いいえ、喜六と私と2人でここに来たつもりで、「本当に不調法を致しました」と一言言えばいいのではないでしょうか?ねえ、喜六」
「はい。お嬢様が出ればきっと許してくれます。みんなすけべそうな奴ばかりですから」
「コラ!そんなことを言うと勘違いされるんだ」
「では2人のつもりでいいですか?私はお前を連れてお寺参りに来たつもりで」
「どうか何卒お願いたします」

原文 (会話文抽出)

「はい御免下せえまし」
「おゝ喜六か、是へ来い/\」
「はい、誠に何ともはア申訳のねえ事をしました、悪い奴にお包を奪られて」
「困ったものじゃアないか、何故草履を懐へ入れて二階へ上ったのだよ、草履を懐へ入れて上へ昇るなどという事があるかえ」
「はい、田舎者で何も心得ませんから」
「何も心得んとて、先方で立腹するところは尤もじゃアないか、喰物の中へ泥草履を投入れゝば、誰だって立腹致すのは当然のことじゃ、それから何う致した」
「へえ、三人ながら意地の悪い奴が揃ってゝ、家来の不調法は主人の不調法だから、余所目に見て二階に居ることはねえ、此処へまいり、成り代って詫をしたら堪忍してくれると云いまして、お包を取上げましたから、渡すめえと確かり押えると、あんた傍に居た奴が私の頭を叩いて、無理やりに引奪られましたから、大切な物でも入って居ろうかと心配して居ります」
「何も入って居らん空風呂敷ではあるが、不調法をして詫をせずに置く訳にもいかん、手前の事から己が出ると、拙者は粂野美作守家来渡邊織江と申す者でござると、斯う姓名を明かさんければならん、己の名前は兎も角も御主人の名を汚す事になっちゃア誠に済まん訳じゃアないか、手前は長く奉公しても山出しの習慣が脱けん男だ、誠に困ったもんだの」
「へえ、誠に困りました、然うして私が頭ア五つくらしました」
「打たれながら勘定などをする奴が有りますか」
「余り口惜うございます、中央にいた奴の叩くのが一番痛うござえました」
「誠に困るの」
「お父さま、斯う致しましょうか、却って先方が食酔って居りますところへ貴方が入らっしゃいますより、私は女のことで取上げもいたすまいから、私が出て見ましょうか」
「いや、己がいなければ宜いが、己がいて其の方を出しては宜しくない」
「いゝえ、喜六と私と二人で此処へまいりました積りで、誠に不調法を致しましたと一言申したら宜かろうと存じます、のう喜六」
「はい、お嬢様が出れば屹度勘弁します、皆な助平そうなものばかりで」
「こら、其様なことを云うから物の間違になるんだ」
「じゃア二人の積りで宜いかえ、私は手前を連れてお寺参りに来た積りで」
「どうか何分にも願います」


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