GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』
現代語化
「いえ、痛めたわけじゃないんですけど、全身がだるくなってしまって。全身ぐったりしちゃって、歩けません」
「歩けないって言われては困るな。急いで行かなきゃならないのに」
「もう歩けません。ここまで我慢して歩いてきたんですけど、私はこんな歩き方したことないんです。もうどうにも歩けません」
「歩けないなんて……本当に子供っぽいことを言うから困るな。これから私の家来の家に行くならまだしも、お前の親のところに行って、謝って、しばらく置いてもらわなきゃならないんだ。それがそこのに座り込んで、ぐったりしたなんて気楽なこと言ってる場合じゃないでしょ」
「私もすごく心配なんですけど、やっぱり歩けませんよ。あとちょっとで駕籠を借りられたらよかったのに」
「そんなこと言っても、今どきこのあたりに駕籠なんてないよ。それに、見た目はすっかり変えても、髪型がまずいから、頭巾をかぶってもすぐにバレるよ。本当に困ったな」
「困ったって、やっぱり歩けませんよ」
「歩けないって言って、このままじゃ……」
「ちょっと負ぶってくださいよ」
「何だよ、俺も疲れてるんだ」
原文 (会話文抽出)
「何うした、足を痛めたのか」
「いえ痛めやア致しませんが、只一体に痛くなりました、一体に草臥れたので、股がすくんで些とも歩けません」
「歩けないと云われては誠に困るね、急いで往かんければなりません」
「も往けません、漸う此処まで我慢して歩いて来ましたので、私は此様に歩いた事はないものですから、最う何うしても往けません」
「往けませんたって…誠に子供のようなことを云っているから困りますな、是から私の家来の家へでも往くならまだしも、お前の親の許へ往って、詫言をして、暫く置いて貰わなければなりません、それだのにお前が其処で草臥れたと云って屈んで、気楽な事を云ってる場合ではありません」
「私も実に心配ですが、どうも歩けませんもの、もう少しお駕籠をお雇い遊ばすと宜しゅうございましたのに」
「其様なことを云ったって、今時分こゝらに駕籠はありませんよ、それでなくとも装はすっかり変えても、頭髪の風が悪いから、頭巾を被っても自然と知れます、誠に困りました」
「困るたって、どうも歩けませんもの」
「歩けんと云って、そうして居ては……」
「少し負って下さいませんか」
「何うして私も草臥れています」