三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 「春部さま、春部さま」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

現代語化

「春部様、春部様」
「シッ、声を出すんじゃない」
「あなたってば、私からいくら手紙を送っても、1度もお返事がないのは酷いと思います。あなたはもう亀井戸のことを忘れてしまったのか、私はそればかり考えているのに。身分が違いすぎてお目にかかれませんでしたが、今夜はこの隙にお目にかかれました」
「他の人に知られては困るが、今夜は雪が降ってきたので、巡回の者も自然と役目を怠って、あまり頻繁に叩いて回らなさそうだが。さっき合図をしたから、もしかしたら出てきてくれるかと思って来たんだ。でも、このことが叔父に知れたら困るから、他の人に知られないようにして、私も会いたいと思う。来年3月の宿下りのときに、また例の亀井戸の巴屋でゆっくり話しましょう」
「宿下りのときですか?本当に七夕さまみたいですね。1年に1度しかお目にかかれないのかと思うと、最近はあなたの夢ばかり見ています。私は思いのままのことを書いておきましたから、よく見ていただければ分かると思います。私の身に危険が及ぶかもしれないので、お持ち帰りください」
「火の番だ」

原文 (会話文抽出)

「春部さま、春部さま」
「シッ/\、声を出してはなりません」
「貴方まア私から幾許お文を上げましても一度もお返辞のないのはあんまりだと存じます、貴方はもう亀井戸の事をお忘れ遊ばしたか、私はそればっかり存じて居りますけれども、掟が厳しいのでお目通りを致すことも出来ませんでしたが、今晩は宜い間にお目に懸れました」
「他に知れてはならんが、今夜は雪が降って来たので、廻りの者も自然役目を怠って、余りちょん/\叩いて廻らんようだが、先刻ちょいと合図をしたから、ひょっと出て来ようと存じてまいったが、此の事が伯父に知れた日にア実に困るから、他に知れんようにして私も会いたいと思うから、来年三月宿下りの折に、又例の亀井戸の巴屋で緩くり話を致しましょう」
「宿下の時と仰しゃっても、本当に七夕様のようでございますね、一年に一度しきゃアお目通りが出来ないのかと思いますと、此の頃では貴方の夢ばかり見て居りますよ、私は思いの儘なことを書いて置きましたから、これを篤くり見て下されば分りましょう、私の身にかゝる事がございますからお持ち遊ばせ」
「火の廻り」


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