三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 「ひえへゝゝ是はどうも面白え、やりたいよう…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

現代語化

「ひえへゝゝこれは面白い。やりたいけど、タイミングが悪くて近づけない」
「近寄っても近寄らなくても、菊が何を言おうと関係ない。俺が四つの鐘を合図に、庭の入り口からそっと忍び込んで、裏手で待ってるから。四つの鐘の拍子木が聞こえたら、遠慮せずに菊の首に噛みついて。俺が突然がらがらと障子を開けて、『不義者が見つかった!不義をした者は家法により手討ちにする!』って言う。で、お前ら二人とも手討ちにする」
「いや、それは勘弁してください……」
「いや、本当に斬るわけじゃない。斬るべきやつだけど、今まで誠実に仕えてくれたから、内緒にしてやる。表沙汰にすれば面倒だから、暇を出す。それに菊もそんなに思ってるんなら、町人になれ。侍になることは許されねえから、三十両の他に二十両を菊に渡してやる。頭の飾りも全部残してやる」
「なるほど、ありがたいです。本当にこれは……でも、それでもダメですよ。お菊さんがとんでもないことを言ってる。林蔵と私とで不義をした覚えなんてありません。神にかけてありません。夫婦になれと言われても私は嫌です。こんな嫌な人の女房にはなりませんって言いきったらどうしますか?」
「そうは言わせない。夜中に男女が二人きりだったら、不義じゃないなんて言わせない。無理に強情を張れば表沙汰にするぞ。どうだ?内緒にしてほしいなら命は助けてやる。そうすれば命が惜しいから女房になると言うだろう」
「なるほど、これは恐ろしいですね。なるほど承知しなければ斬り殺すか、命が惜しいからですか。どうも面白い」
「おい、浮かれて手を叩くな。下から女中が来る」
「ヒエ、ありがたいです。なるほどやります」
「そうしろよ。そのつもりでいろ」
「ヒエ、そろそろ帰りましょうか」
「そんなに急がなくてもいい」
「ヒエ、ありがたいです」

原文 (会話文抽出)

「ひえへゝゝ是はどうも面白え、やりたいようだが、何分間が悪うて側へ寄附かれません」
「寄附けようが寄附けまいが、菊が何と云うとも構ったことはない、己は四つの廻りを合図に、庭口から窃と忍び込んで、裏手に待っているから、四つの廻りの拍子木を聞いたら、構わず菊の首玉へかじり附け、己が突然にがらりと障子を開けて、不義者見附けた、不義をいたした者は手討に致さねばならぬのが御家法だ、さ両人とも手討にいたす」
「いや、それは御免を……」
「いやさ本当に斬るのじゃアない、斬るべき奴だが、今迄真実に事えてくれたから、内聞にして遣わし、表向にすれば面倒だによって、永の暇を遣わす、また菊もそれ程までに思っているなら、町人になれ、侍になることはならんと三十両の他に二十両菊に手当をして、頭の飾身の廻り残らず遣る」
「成程、有難い、どうも是ははや……併しそれでもいけませんよ、お菊さんが貴方飛んでもない事を仰しゃる、何うしても林藏と私と不義をした覚えはありません、神かけてありません、夫婦に成れと仰しゃっても私は否でござえます、斯んな忌な人の女房にはなりませんと云切ったら何う致します」
「然うは云わせん、深夜に及んで男女差向いで居れば、不義でないと云わせん強って強情を張れば表向にいたすが何うだ、それとも内聞に致せば命は助けて遣るといえば、命が欲しいから女房になりますと云うだろう」
「成程、これは恐入りましたな、成程承知しなければ斬ってしまうか、命が惜しいから、そんなればか、どうも是は面白い」
「これ/\浮れて手を叩くな、下から下婢が来る」
「ヒエ有難い事で、成程やります」
「宜いか、其の積りでいろ」
「ヒエ、そろ/\帰りましょうか」
「そんなに急なくっても宜い」
「ヒエ有難い事で」


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