三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 「え、おいでなさえまし、何でござえます」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

現代語化

「え、お入りください。何のご用でしょうか?」
「あの、松蔭大蔵様はこの方ですか?」
「えっと、松蔭は私ですが、何かご用でしょうか?お話を聞かれるなら、ちょうど今は人が少ないのでいいでしょう。さあ、お上がりください」
「いや、そうではありません。旦那様はあの方ですか?」
「あ、すみません」
「あの、お入りください」
「はい、私は粂野美作守家臣渡辺織江と申します。あの、早くお礼に伺うべきでしたが、公務が忙しく、ご挨拶が遅くなってしまいました。今日は少し時間があったので、お礼にお伺いしました。先生がお留守でなければ、お目にかかりたいのですが」
「はい、かしこまりました…あの、先生」
「なんだ?」
「あの、飛鳥山でお助けいただいた、粂野美作守の家臣の渡辺織江という方が、お嬢さんを連れてお礼にいらしたそうですよ」
「そうか。すぐにいいお茶を入れて、煙草盆に火をつけて、よし、私が迎えるから…いやあ、これは。見苦しいところへようこそ。恐れ入りました。どうぞこちらへお通しを…」
「今日はお留守ではなく」
「お留守ではありません…これはあなたもご一緒ですか。手狭な家なので恥ずかしいのですが、どうぞこちらへ…」
「あの、お家来が失礼ですが、少しお台を…何でも結構です。いえ、そんなに大きいものでなくても大丈夫です。あの、大きな包の方をこちらへ」

原文 (会話文抽出)

「え、おいでなさえまし、何でござえます」
「えゝ松蔭大藏様と仰しゃるは此方さまで」
「え、松蔭は手前でござえますが、何か当用か身の上を御覧なさるなれば丁度今余り人も居ねえ処で宜しゅうござえます、ま、お上んなせえまし」
「いや、然うじゃアござえません、旦那さまア此方さまですと」
「あい、御免くだされ」
「へえ、おいでなせえまし」
「えゝ拙者は粂野美作守家来渡邊織江と申す者、えゝ早々お礼に罷り出ずべきでござったが、主用繁多に就き存じながら大きにお礼が延引いたしました、稍く今日番退きの帰りに罷出ました儀で、先生御在宅なれば目通りを致しとうござる」
「はい畏りました……えゝ先生」
「何だ」
「何んだか飛鳥山でお前さんがお助けなすった粂野美作守の御家来の渡邊織江とかいう人がお嬢さんを連れて礼に来ましたよ」
「左様か直に茶の良いのを入れて莨盆、に火を埋けて、宜いか己が出迎うから……いや是は/\どうか見苦しい処へ何とも恐入りました、どうか直にお通りを……」
「今日は宜く御在宅で」
「宜うこそ……是れはお嬢様も御一緒で、此の通りの手狭で何とも恥入りましたことで、さ何卒お通りを……」
「えゝ御家来誠に恐入りましたが、一寸お台を……何でも宜しい、いえ/\其様な大きな物でなくとも宜しい、これ/\其の包の大きな方を此処へ」


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