三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 「林藏や、林藏寝たか林藏……」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』

現代語化

「林蔵、林蔵、寝たか林蔵……」
「誰だ?」
「俺だ。ちょっと開けてくれ」
「誰だ」
「俺だ。開けてくれ。俺だ」
「あ、旦那様」
「おい」
「どうしてこんなところに?」
「静かに」
「何があったんですか?」
「静かに……」
「はい、今開けます。でも明かりが消えてるので、今……さっきからいろいろ考えていて、全然眠れません。はい、開けます」
「さっきのことを考えて眠れないんだよ」
「一緒に来て」
「ひえ」
「お前んちに、短めの脇差で切れ味の良いのがあったかな?」
「ひえ、あります」
「それを持ってきてくれ。静かに」
「これです」
「ひえ」
「菊はこうしておいてきた」
「お……これは……お菊さんが」
「これさ。しっ……主人の言うことを聞かなかった奴だからほっとけない。どうかずっと林蔵と一緒にいてあげてよ。何度話しても聞いてくれなかったから、こうするしかなかったんだ」
「ひえ、でも、殺すなんてすごいことになりましたね。かわいそうなことをしました」
「いや、かわいそうじゃない。お前は菊をかばってうらんでいるんだろう?」
「うらんでいませんが」
「なによ、うらんでるくせに」
「何をされますか」

原文 (会話文抽出)

「林藏や、林藏寝たか林藏……」
「誰だえ」
「己だ、一寸開けてくれ」
「誰だ」
「己だ、開けてくれ、己だ」
「いやー旦那さまア」
「これ/\」
「何うして此様な処へ」
「静かに/\」
「ど何ういう事で」
「静かに……」
「はい、只今開けます、灯火が消えて居りますから、只今……先刻から種々考えて居て一寸も眠られません、へえ開けます」
「先刻の事が気になって眠られませんよ」
「一緒に来い/\」
「ひえ/\」
「手前の手許に小短い脇差で少し切れるのがあるか」
「ひえ、ござえます」
「それを差して来い、静かに/\」
「これ」
「ひえ/\」
「菊は此の通りにして仕舞った」
「おゝ……これは……どうもお菊さん」
「これさ、しッ/\……主人の言葉を背く奴だから捨置き難い、どうか始終は林藏と添わしてやりたいから、段々話をしても肯入れんから、已むを得ず斯の通り致した」
「ひえゝ、したがまア、殺すと云うはえれえことになりました、可愛相な事をしましたな」
「いや可愛相てえ事はない、手前は菊の肩を持って未練があるの」
「未練はありませんが」
「なアに未練がある」
「何をなさいます」


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