GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』
現代語化
「なんだ、どけ」
「さすがにお人好しだ」
「何が人好しだ」
「確かに証文にはしましたが、人の頬っぺたを切るなんてありえませんよ」
「お前は何のために保証人になって、印鑑を押したんだ」
「印鑑だって、ここまで厳しいとは思わなかったので、押しました。単なる約束で、ちょっと小指に怪我をさせるくらいだろうと思ってましたが、指を切られるとこの後内職ができなくなります。かといってむやみに頬っぺたなんて、勢い余って鼻でも落ちたら大変です。情けない話ですが、お嬢さんの代わりに私を切ってください」
「いや、お前の手を切る約束の証文じゃない。アホなことを言うな。何のための保証人だ?」
「保証人だから私が切られるべきなんです」
「黙れ。証文の表面に、本人に代わって指を切ろうなんて文面はないぞ。だから顔を切る」
原文 (会話文抽出)
「何卒お待ちなすって下せえまし」
「何だ、退け/\」
「お前さまは飛んだお方だアよ」
「何が飛んだ人だ」
「成程証文は致しやしただけれども、人の頬辺を切るてえなア無え事です」
「手前は何のために受人に成って、印形を捺いた」
「印形だって、是程に厳しかアねえと思ったから、印形を捺きやした、ほんの掟で、一寸小指へ疵を附けるぐれえだアと思いやしたが、指を打切られると此の後内職が出来ません、と云って無闇に頬辺なんて、どう云うはずみで鼻でも落したらそれこそ大変だ、情ねえ事で、嬢さんの代りに私を切っておくんなせえ」
「いや手前を切る約束の証文ではない、白痴た事を云うな、何のための受人だ」
「受人だから私が切られようというのだ」
「黙れ、証文の表に本人に代って指を切られようと云う文面はないぞ、さ顔を切って遣る」