海野十三 『蠅男』 [Gemini]
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海野十三 『蠅男』
「この臭は、ちょっとアレに似とるやないか」…
「お客さん。怪ったいな臭がしとりますやろ」…
「ああ、この辺はいつもこんな臭いがするとこ…
「おお、このへんな臭いだ。ここでもよく臭い…
「あの建物は、なんですかねえ」…
「さあ、早いとこ、お前はベルを押せ。なにベ…
「ここ病院の古手と違うか」…
「何でっしゃろな」…
「フーン。これはどう見たって、大人の肋骨や…
「コラ失敗うた。検事さんから、大きなお眼玉…
「お目覚めですの。お痛みですか」…
「さあ、こっちでございますわ」…
「機関銃に撃たれた警官はどうしました」…
「あの犯人は、一体何者です」…
「――それから検事さん」…
「あ、お父つぁん」…
「さあ、その――その手紙、ここへ持っといで…
「そら、どうや。お父つぁんかて、やっぱり愕…
「お父つぁん。きっと心当りがおますのやろ。…
「どうです、旦那はん。これでよろしまっしゃ…
「さあ、まさかあれから大の男が入ってこられ…
「それから連れの男。お前は何者や」…
「――娘さん。鴨下ドクトルから、二、三日う…
「貴女は鴨下ドクトルの娘さんだそうだが、た…
「あッ」…
「いや正木署長、その男なら分っているよ」…
「ああ、そうかね」…
「チャンバラはぜひ見たいと思うのですが、僕…
「ウフ、名探偵帆村荘六さえ、そう思っていて…
「そうかい、そういう若い女が、この陰鬱な邸…
「おお上原さん、燐寸をお持ちじゃありません…
「さあ、行こう。――が、君の服装は困ったネ…
「あああれですか。あれは透視術でもなんでも…
「――私がもっぱら屋外警戒の指揮に当っとり…
「おお正木君か。――君、蠅男というのは何十…
「ああ、あきまへん」…
「――さっき断っときましたやろ。もう叩いた…
「や、やられたッ。助けてえ――死んでしまう…
「おお血や、血や」…
「――正木君。これを見給え、頭部の出血の個…
「なんです、検事さん」…
「もし――。父はこういう風に下っていたとこ…
「蠅男」…
「おやッ。――」…
「おお、これは愕いた。糸子さんじゃありませ…
「こら、無茶するな、泥棒泥棒」…
「モシ、樽の上のあんちゃん。この道はどこへ…
「おう、樽の上のあんちゃんよオ」…
「呀ッ、あれは誰だす」…
「えろうごゆっくりでしたな、お案じ申しとり…
「誰か僕の居ない留守に、この部屋に入ったろ…
「モシモシお客さん。何か間違いでも起りまし…
「ねえ君」…
「これはどんな風体の客人ですか」…
「さあ、トランクを開きますよ」…
「そら妙やなア。あの電話が蠅男やったとする…
「ハイハイ、お待ちどうさま。僕は帆村ですが…
「大川さん。どうです、分った?」…
「どうしました、糸子さん」…
「やあ皆さん。蠅男が電話をかけているのを知…
「オイ帆村君。なにか面白い話でも聞かさんか…
「……どうもお前らは分らず屋ばかりじゃのう…
「なにをしようと、儂の勝手じゃ。儂の研究の…
「どうかしましたかネ」…
「正木さん、オイ正木さんは居らんか」…
「おおそうか。鴨下ドクトルに、村松も一緒に…
「どうです、村松さん。これについて何か云い…
「どうだネ。指紋は合っているか、合わないか…
「帆村君かネ」…
「宝塚ホテル? そう、こっちは玉屋糸子だす…
「勝負は貴様の負だッ。こうなれば観念して、…
「カオルさんは今度お父さまにまだひと目も会…
「するとカオルさん。貴方はなにかお父さまの…
「まあ、そこへお掛け。きょうは何の用じゃな…
「うむ、あったぞッ!」…
「どうも弱ったなア。近来投書が、なかなか辛…
「オヤ、――」…
「おい帆村君。僕はまた君のおかげで命拾いを…
「近所の薬屋を四、五件調べてみましたんやけ…
「帆村はん。これだけは誓うとくれやす。必要…
「あんまりパッパッと金を使うのはあかんぜ」…
「こ、殺される前に――」…
「あの巧妙な手や足はずいぶん巧妙にできてい…
「どうした帆村君。いよいよ蠅男を捕えよった…
「かもめ」…
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