GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 海野十三 『蠅男』
現代語化
「あっ、わかったよ。その田鶴子って女、蠅男の女、お竜の変装でしょ」
「なんで?」
「お竜は蠅男じゃ入り込めないから、田鶴子に変装して秘密倉庫から物を盗んでたんだ。丸顔って聞いたでしょ。お竜を見た人はあんまいないんだって。俺は宝塚で2回見たからよっく知ってる。絶対にお竜だよ」
「おーっ、すげー度胸だな」
「こーゆーことからも、蠅男は間違いなくこの辺に潜伏してるんだよ。みんなで気合い入れて探そーぜ」
原文 (会話文抽出)
「近所の薬屋を四、五件調べてみましたんやけれど、どの家でも、そんな女子は来まへんという返事だす。けったいなことですなア」
「呀ッ。わかりましたよ。その田鶴子という派出婦は、もう二度とこの家にかえってきませんよ」
「なぜだい」
「いや、その田鶴子という派出婦は、蠅男の情婦のお竜が化けこんでいたに違いありません。蠅男では、到底入りこめないから、そこでお竜が化けこんで、秘密倉庫のなかのものを持ち出していたんです。丸顔といいましたネ。お竜を見た人間は、そう沢山いないのです。僕は宝塚で二度も見かけて、よく知っています。正にお竜にちがいありません」
「な、なんという大胆な女だろう」
「さあ皆さん、これによっても、蠅男はいよいよこの附近に潜伏していることが明白になったじゃありませんか。一つ元気をだして、蠅男を探しだして下さい」