海野十三 『蠅男』 「まあ、そこへお掛け。きょうは何の用じゃな…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『蠅男』

現代語化

「まあ、そこに座ってください。今日は何の用ですか」
「今日は1つあなたに教えていただきたいことがあって来ました」
「なんだ、私に教えてもらいたいというのか。ほう、君も老人の役に立つことが、今日初めて分かったのかな」
「その老人のことなんですよ」
「つまり鴨下老博士を階下のストーブの中で焼き殺した犯人は誰か?それを教えてもらいたい」
「何を冗談言うんですか。鴨下博士は、こうしてあなたの前にいるじゃないですか。血迷ってますね。ハハハハ」
「言うな」
「なんだ、そのあなたの左腕はどこへ置き忘れて来たんですか」
「あっ、これを知られたか」
「さあどうだ、ハエ男!化けの皮を剥いで、両手を挙げろ。無い方の手も一緒に挙げるんだ」
「うわ、は、は」
「お前こそ、今度こそは本当に念仏を唱えるがいい。この部屋から一歩でも出てみろ。その時は、お前の首は胴体についていないぞ」

原文 (会話文抽出)

「まあ、そこへお掛け。きょうは何の用じゃな」
「きょうは一つ貴方に教えていただきたいことがあって参ったのです」
「ナニ儂に教えて貰いたいというのか。ほう、君も老人の役に立つことが、きょう始めて分ったのかな」
「その老人のことなんですよ」
「つまり鴨下老ドクトルを階下のストーブの中で焼き殺した犯人は誰か? それを教えて貰いたい」
「何を冗談いうのじゃ。鴨下ドクトルは、こうして君の前に居るじゃないか。血迷うな。ハッハッハッ」
「言うなッ」
「なんだ、その貴様の左腕は何処へ置き忘れて来たのだッ」
「呀ッ、こいつを知られたかッ」
「さあどうだ、蠅男! 化けの皮を剥いで、両手をあげろッ。無い方の手も一緒に挙げるんだ」
「うわッ、はッはッ」
「手前こそ、今度こそは本当に念仏を唱えるがいい。この室から一歩でも出てみろ。そのときは、手前の首は胴についていないぞ」


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