GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 海野十三 『蠅男』
現代語化
「それは私の知り合いで帆村という探偵です」
「ああ帆村さん。この怪しい人物が――」
「うん、怪しむのも無理ない。彼は病院から脱走するのが得意な男でね」
「――まあ怒るのは後にしてください、これを見てください、重大な発見です」
「あっ、これは玉屋氏に出した蠅男の脅迫状だ。あんた、どこでそれを――」
「まあ待ってくれ。こっちが玉屋氏宛のもので、そこの絨毯の上で拾いました。もう一通こっちの黄色い封筒は、この暖炉の上、マントルピースの上にあったのです。その馬の飾りがついている大きな置時計の下に隠してありました」
「ほう、それはお手柄だ」
「もっと驚くことがあります。封筒の中には、ほらこのとおり同じように新聞紙の脅迫状が入っている」
「同じように赤鉛筆の丸のついた文字を辿って読んでみると、――きさまが血まつりだ。乃公は思ったことをするのだ。蠅男――どうですか。玉屋家の脅迫状と全く同じ人物が出したのです」
「フーン、蠅男? 何だ、その蠅男ってのは」
「さあ誰のことだか分かりませんが――ほらこのとおり、ハエの死骸が貼り付けてあるのですよ」
原文 (会話文抽出)
「いや正木署長、その男なら分っているよ」
「それは私の知合いで帆村という探偵だ」
「ああ帆村さん。この怪ったいな人物が――」
「うむ怪しむのも無理はない。彼は病院から脱走するのが得意な男でネ」
「――まあ怒るのは後にして頂いて、これをごらんなさい、重大な発見だ」
「あッ、これは玉屋氏に出した蠅男の脅迫状や。あんた、どこでそれを――」
「まあ待ってください。こっちが玉屋氏宛のもので、そこの絨毯の上で拾った。もう一通こっちの黄色い封筒は、この暖炉の上の、マントルピースの上にあった。その天馬の飾りがついている大きな置時計の下に隠してあったのです」
「ほう、それはお手柄だ」
「もっと愕くことがある。封筒の中には、ほらこのとおり同じように新聞紙の脅迫状が入っている」
「同じように赤鉛筆の丸のついた文字を辿って読んでみると、――きさまが血まつりだ。乃公は思ったことをするのだ。蠅男――どうです。玉屋家の脅迫状と全く同じ者が出したのです」
「フーム、蠅男? 何だい、その蠅男てえのは」
「さあ誰のことだか分りませんが――ホラこのとおり、蠅の死骸が貼りつけてあるのですよ」