夏目漱石 『それから』 [Gemini]
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夏目漱石 『それから』
「学校騒動の事ぢやないか」…
「先生は一体何を為る気なんだらうね。小母さ…
「君は何方の学校へ行つてるんですか」…
「先生、今朝は心臓の具合はどうですか」…
「君、電話を掛けて呉れませんか。家へ」…
「それから、以後何うだい」…
「今迄斯んな所へ奉公した事がないんだから仕…
「それ限りかい」…
「僕は所謂処世上の経験程愚なものはないと思…
「会社員なんてものは、上になればなる程旨い…
「それで、是から先何うする積かね」…
「子供は惜しい事をしたね」…
「身体は丈夫だね」…
「相変らず茫乎してるぢやありませんか」…
「まあ、御掛けなさい。少し話し相手になつて…
「好い気候になりましたね。何所か御花見にで…
「大変込み入つてるのね。私驚ろいちまつた」…
「もう行つて来たの」…
「何でまた、そんなに借金をしたんですか」…
「旦那と奥さんと一所に来たかい」…
「君、すつかり片付迄居て呉れたんでせうね」…
「兄の様になると、宅にゐても、客に来ても同…
「兄さん、貴方に少し話があるんだが。何時か…
「で、私も気の毒だから、何うにか心配して見…
「何うも『煤烟』は大変な事になりましたな」…
「叔父さんは、昨日御父さんから奢つて貰つた…
「宅の都合は、どうだい。間取の具合は可ささ…
「袷の下にネルを重ねちやもう暑い。繻絆にす…
「そりや嘘だ。おれの細君が、いくら弁護した…
「君は酒を呑むと、言葉丈酔払つても、頭は大…
「三千代さん。どうです、私の考は。随分呑気…
「何故」…
「代さん、あなたは不断から私を馬鹿にして御…
「それは、私も承知してゐますわ。けれども、…
「実は二三日前君の所へ行つたが、君は留守だ…
「僕はことによると、もう実業は已めるかも知…
「旨いですね」…
「代さん貴方こそ気楽ぢやありませんか」…
「兄さん、此間中は何だか大変忙しかつたんだ…
「嫁の事か」…
「君、僕の寐てゐるうちに、誰か来やしなかつ…
「さう傍で嗅いぢや不可ない」…
「相変らずですわ」…
「何時迄に」…
「もう、そろ/\蛍が出る時分ですな」…
「叔父さん、奥さんは何時貰ふんですか」…
「そら来た。ね。だから一所に連れて行つて御…
「えゝ宜しい、行きませう」…
「書くのも面白いだらう。其代り公平に願ひた…
「不断は今頃もう家へ帰つてゐるんだらう。此…
「そんな事が、あらう筈がない。いくら、変つ…
「御父さんは居ますか」…
「庭の所為だ。青葉が映るんだ」…
「何うしましたつて、例の如くですわ」…
「だつて、兄さんが留守勝で、嘸御淋しいでせ…
「でも、御父さんは屹度御困りですよ」…
「そりや代さんだつて、小供ぢやないから、一…
「先生は、何ですか、御宅へ御出になつたんぢ…
「あの時分の事を考へると」…
「あの時兄さんが亡くならないで、未だ達者で…
「何うして」…
「たゞ、もう少し早く云つて下さると」…
「其後貴方と平岡との関係は別に変りはありま…
「僕の身分は是から先何うなるか分らない。少…
「徳義上の責任ぢやない、物質上の責任です」…
「そんな事を為る気なら始めから心配をしやし…
「僕が自分で平岡君に逢つて解決を付けても宜…
「行つて参りました」…
「余程悪いのか」…
「三千代さんの君に詫まる事と、僕の君に話し…
「君の立場から見れば、僕は君を裏切りした様…
「君は三千代さんを愛してゐなかつた」…
「三千代を僕に周旋しやうと云ひ出したものは…
「善後策に就て君の考があるなら聞かう」…
「うん遣らう」…
「僕は今日の事がある以上は、世間的の夫の立…
「君、もう五分許坐つて呉れ」…
「夫はまあ其時の場合にしやう」…
「今日は実は」…
「姉さんは泣いてゐるぜ」…
「代助」…
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