夏目漱石 『それから』 「何時迄に」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『それから』

現代語化

「いつまで?」
「2週間」
「どうでもいいから、それまでに仕上げなきゃ、食えないんだから仕方ない」
「すごい勢いだね」
「だから、本郷からわざわざ来たんだ。なに、金は借りなくてもいいよ――貸してくれたらなおさらいいけど――それよりちょっと分からないところがあるから、相談しようと思って」
「面倒だな。今日は頭が悪くて、そんなことやってられないよ。適当に訳しておけばいいじゃない。どうせ原稿料はページでくれるんでしょ」
「いくら俺だって、そんなに無責任な翻訳はできないだろ。誤訳でも指摘されると後から面倒だぜ」
「しょうがないな」
「おい」
「冗談じゃないよ、お前みたいにブラブラしてる人は、たまにはそういうこともしないと退屈で仕方ないでしょ。俺だって、本がよく読める人のところに行く気なら、わざわざお前のところまで来ないよ。でも、そういう人はお前とは違って、みんな忙しいんだ」

原文 (会話文抽出)

「何時迄に」
「二週間」
「何うでも斯うでも、夫迄に片付なけりや、食へないんだから仕方がない」
「偉い勢だね」
「だから、本郷からわざ/\遣つて来たんだ。なに、金は借りなくても好い。――貸せば猶好いが――夫より少し分らない所があるから、相談しやうと思つて」
「面倒だな。僕は今日は頭が悪くつて、そんな事は遣つてゐられないよ。好い加減に訳して置けば構はないぢやないか。どうせ原稿料は頁で呉れるんだらう」
「なんぼ、僕だつて、さう無責任な翻訳は出来ないだらうぢやないか。誤訳でも指摘されると後から面倒だあね」
「仕様がないな」
「おい」
「冗談ぢやない、君の様に、のらくら遊んでる人は、たまには其位な事でも、しなくつちや退屈で仕方がないだらう。なに、僕だつて、本の善く読める人の所へ行く気なら、わざ/\君の所迄来やしない。けれども、左んな人は君と違つて、みんな忙しいんだからな」


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