夏目漱石 『それから』 「もう行つて来たの」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『それから』

現代語化

「もう行ってきたの?」
「はい、行ってきました。もう引っ越し準備が済んでいて、明日は引っ越すそうです。今日はそこから出ようとしてたところだとおっしゃっていました」
「誰?平岡?」
「はい。――なんだかすごいみたいですね。すごく忙しいみたいで。先生とは大違いですね。――アリなら灯油をかけて。それで苦しがって穴から出てくるのを一匹ずつ駆除するんです。駆除しますか?」
「アリじゃないよ。こうやって、晴れた日に、花粉を取って、雌しべに塗りつけると、実がなるんだ。暇だから植木屋から聞いたとおりにやってるんだよ」
「なるほど。なんだかすごい時代になりましたね。――でも盆栽っていいですよね。きれいだし、楽しめるし」
「悪ふざけもほどほどにしてくれよ」

原文 (会話文抽出)

「もう行つて来たの」
「えゝ、行つて来ました。何ださうです。明日御引移りになるさうです。今日是から上がらうと思つてた所だと仰しやいました」
「誰が? 平岡が?」
「えゝ。――どうも何ですな。大分御忙がしい様ですな。先生た余つ程違つてますね。――蟻なら種油を御注ぎなさい。さうして苦しがつて、穴から出て来る所を一々殺すんです。何なら殺しませうか」
「蟻ぢやない。斯うして、天気の好い時に、花粉を取つて、雌蕊へ塗り付けて置くと、今に実が結るんです。暇だから植木屋から聞いた通り、遣つてる所だ」
「なある程。どうも重宝な世の中になりましたね。――然し盆栽は好いもんだ。奇麗で、楽しみになつて」
「悪戯も好加減に休すかな」


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