夏目漱石 『それから』 「うん遣らう」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『それから』

現代語化

「うん、やる」
「やる。やるけど、今はやれない。君の予想通り、僕はそんなにみちよを愛してないかもしれない。でも嫌いではなかった。みちよは今、病気なんだ。しかもあまり軽い方じゃない。寝てる病人君に渡すのは嫌だ。病気が治るまで君に渡せないなら、それまでは僕が夫なんだから、夫としての看護責任がある」
「僕は君に謝った。みちよさんも君に謝ってる。君から言わせれば2人とも、不誠実な人間に違いないけど――いくら謝っても許せないかもしれないけど――とにかく病気で寝てるんだから」
「それは分かってる。本人の病気に乗じて、僕が意地悪して虐待でもすると思ってるんだろうけど、僕だって、まさか」

原文 (会話文抽出)

「うん遣らう」
「遣る。遣るが、今は遣れない。僕は君の推察通り夫程三千代を愛して居なかつたかも知れない。けれども悪んぢやゐなかつた。三千代は今病気だ。しかも余り軽い方ぢやない。寐てゐる病人を君に遣るのは厭だ。病気が癒る迄君に遣れないとすれば、夫迄は僕が夫だから、夫として看護する責任がある」
「僕は君に詫つた。三千代さんも君に詫まつてゐる。君から云へば二人とも、不埒な奴には相違ないが、――幾何詫まつても勘弁出来んかも知れないが、――何しろ病気をして寐てゐるんだから」
「夫は分つてゐる。本人の病気に付け込んで僕が意趣晴らしに、虐待でもすると思つてるんだらうが、僕だつて、まさか」


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