夏目漱石 『それから』 「代助」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『それから』

現代語化

「代助」
「今日は俺はお父さんの使いできたんだ。お前はこないだから家に寄り付かないようになっている。普段ならお父さんが呼び出して事情を聞くところだけど、今日は顔を見るのが嫌だから、こっちから行って本当かどうか確かめてこいって言われて来たんだ。それで――もし本人に言い分があるなら言い分を聞くし。また言い分も何もなくて、平岡の言ってることが全部本当なら、――お父さんはこう言うんだ――もう一生代助には会わない。どこに行こうと、何をしようと本人の勝手だ。その代わり、これからは息子としても扱わない。また親だとも思わないでくれ。――当たり前のことだ。そこで今お前の話を聞いてみると、平岡の手紙には嘘は1つもないんだから仕方ない。その上お前は、このことに関して後悔も謝罪もしないようだな。それじゃあ、俺だって、帰ってからお父さんにとりなすわけにはいかない。お父さんから言われた通りそのままお前伝えるだけのことだ。いいか?お父さんの言ってることは分かったか?」
「よく分かりました」
「お前はバカだ」

原文 (会話文抽出)

「代助」
「今日はおれは御父さんの使に来たのだ。御前は此間から家へ寄り付かない様になつてゐる。平生なら御父さんが呼び付けて聞き糺す所だけれども、今日は顔を見るのが厭だから、此方から行つて実否を確めて来いと云ふ訳で来たのだ。それで――もし本人に弁解があるなら弁解を聞くし。又弁解も何もない、平岡の云ふ所が一々根拠のある事実なら、――御父さんは斯う云はれるのだ。――もう生涯代助には逢はない。何処へ行つて、何をしやうと当人の勝手だ。其代り、以来子としても取り扱はない。又親とも思つて呉れるな。――尤もの事だ。そこで今御前の話を聞いて見ると、平岡の手紙には嘘は一つも書いてないんだから仕方がない。其上御前は、此事に就て後悔もしなければ、謝罪もしない様に見受けられる。それぢや、おれだつて、帰つて御父さんに取り成し様がない。御父さんから云はれた通りを其儘御前に伝へて帰る丈の事だ。好いか。御父さんの云はれる事は分つたか」
「よく分りました」
「貴様は馬鹿だ」


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