夏目漱石 『それから』 「叔父さんは、昨日御父さんから奢つて貰つた…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『それから』

現代語化

「叔父さんは、昨日お父さんにご馳走してもらったんですってね」
「ああ、ご馳走になったよ。おかげで今日はお腹の調子が悪いんだ」
「また神経でしょ」
「神経じゃないよ、本当だよ。全部お兄さんのせいだ」
「だって、お父さんがそう言ってましたよ」
「何て?」
「明日学校帰りにだいすけのところに行って何かご馳走してもらってこいって」
「へえ、昨日の御礼に?」
「うん、今日は私がご馳走したから、明日は向こうの番だって」
「それで、わざわざ送ってきたの?」
「うん」
「お兄さんらしいね。中々抜け目ないんだね。だから今はチョコレートを飲ませるからいいじゃないか」
「チョコレートなんか」
「飲まないの?」
「飲むことは飲むけど」

原文 (会話文抽出)

「叔父さんは、昨日御父さんから奢つて貰つたんですつてね」
「あゝ、御馳走になつたよ。御蔭で今日は腹具合が悪くつて不可ない」
「又神経だ」
「神経ぢやない本当だよ。全たく兄さんの所為だ」
「だつて御父さんは左様云つてましたよ」
「何て」
「明日学校の帰りに代助の所へ廻つて何か御馳走して貰へつて」
「へえゝ、昨日の御礼にかい」
「えゝ、今日は己が奢つたから、明日が向ふの番だつて」
「それで、わざ/\遣つて来たのかい」
「えゝ」
「兄の子丈あつて、中々抜けないな。だから今チヨコレートを飲まして遣るから可いぢやないか」
「チヨコレートなんぞ」
「飲まないかい」
「飲む事は飲むけれども」


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