GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『それから』
現代語化
「そうですか」
「お父さんは怒ってる」
「お前は昔から、よく分からない男だった。でもいつか分かる時が来るだろうと思って、今日まで付き合ってきた。でも今回ばかりは、全く分からない人間だって、僕も諦めてしまった。世の中に分からない人間ほど危険なものはない。何をしようとしてるのか、何を考えてるのか、安心できない。お前にとっては自分の勝手だろうが、お父さんや俺の、社会上の立場を考えてみろ。お前だって家族の名誉って意識はあるだろう」
原文 (会話文抽出)
「姉さんは泣いてゐるぜ」
「さうですか」
「御父さんは怒つてゐる」
「御前は平生から能く分らない男だつた。夫でも、いつか分る時機が来るだらうと思つて今日迄交際つてゐた。然し今度と云ふ今度は、全く分らない人間だと、おれも諦らめて仕舞つた。世の中に分らない人間程危険なものはない。何を為るんだか、何を考へてゐるんだか安心が出来ない。御前は夫が自分の勝手だから可からうが、御父さんやおれの、社会上の地位を思つて見ろ。御前だつて家族の名誉と云ふ観念は有つてゐるだらう」