島崎藤村 『夜明け前』 [Gemini]
青空文庫現代語化 Home
>
書名リスト
>
島崎藤村 『夜明け前』
「殿様」…
「これは達者に書いてある。」…
「おい、どこへ行っていたんだい。」…
「ホ。苗字帯刀御免とありますね。」…
「吉左衛門さん、何もありませんが召し上がっ…
「しかし、御苦労、御苦労。」…
「佐吉、めずらしい陽気だなあ。この分じゃ妻…
「おれにかなし。どうも大旦那にお酌していた…
「おふき、お前はよいところへ来てくれた。」…
「お民、来てごらん。きょうは恵那山がよく見…
「お師匠さま。」…
「吾家の旦那はお寺の方でお待ち受けだげな。…
「ほ。見ちがえるように道路がよくなっていま…
「お父さん、けさ着いたのはみんな尾州の荷物…
「お前さまはお留守居かなし。」…
「どうも今年は正月の元日から、いやに陽気が…
「いや、和尚さまもお堅い、お堅い。」…
「わたしはお民さんがお気の毒でならない。」…
「九太夫さん、どうもわたしは年回りがよくな…
「おれはこうしちゃいられない。」…
「お前たちもなかなかやるねえ。」…
「時に、半蔵さん、きょうはめずらしい話を持…
「お父さん、寿平次さんは塩野から下り坂の方…
「これにはわたしも驚かされましたねえ。自分…
「その山上さんとやらは、どんな人柄のお客さ…
「寿平次さん。」…
「寿平次さん、江戸から横須賀まで何里とか言…
「吾家の阿爺の心持ちはわたしによくわかる。…
「佐吉、お前もここへお膳を持って来ないか。…
「しかし、半蔵さんもよく話すようになった。…
「朔日の顔見世は明けの七つ時でございますよ…
「これはなかなかやかましいものだ。」…
「こんな話があるで。」…
「なんだか遠く来たような気がする。郷里の方…
「あなた、茶室の方へでも御案内したら。」…
「ホ。半蔵さん、御覧なさい。ここに三浦兵衛…
「うどんのごちそうですか。や、そいつはあり…
「やっぱりよくできていますね。同じ汽船でも…
「横浜も鴉の多いところですね。」…
「こんな話がありますよ。」…
「自分は近く横浜の海岸通りに木造の二階屋を…
「宮川先生のことは、もう何も言いますまい。…
「わたしがこんな歌をつくったのはめずらしい…
「お民、ことしか来年のうちには、お前も本陣…
「ごらん、吾家の阿爺はことしで勤続二十一年…
「半蔵さん、」…
「ここへ来ると思い出すなあ。あの横須賀行き…
「半蔵さん、攘夷なんていうことは、君の話に…
「お民、馬籠のお父さん(吉左衛門)や、伏見…
「いや、大やかまし。」…
「兄さんは弓にばかり凝ってるッて、おばあさ…
「御覧、よい香気だこと。」…
「これはどうして使うものだろうねえ。」…
「よくそれでもこれだけに工事のしたくができ…
「寿平次さん、君はよいことをしてくれた。助…
「お父さん、あなたの退役願いはまだおきき届…
「どうも半蔵さんばかりじゃなく、伊之助さん…
「今日ほど宗教の濁ってしまった時代もめずら…
「お民、お前はもっとからだをだいじにしなく…
「粂さま、おいで。」…
「御苦労、御苦労。」…
「わたしは吉左衛門の忰でございます。父はこ…
「みんな、おいで。」…
「ふくらっぱぎ」…
「金兵衛さん、わたしも命拾いをしましたよ。…
「寿平次さん、わたしはそれよりも、あの薩摩…
「あなたは勤王家ですか。」…
「どうしてということもありませんけれど、」…
「実は、今、中津川から歩いて来たところです…
「ほ。」…
「そう言えば、青山君。」…
「暮田さんは、木曾路は初めてですか。」…
「青山君、篤胤先生の古史伝を伊那の有志が上…
「いや、伊那の三年は大失敗。」…
「あなた、店座敷の方へ先生を御案内したら。…
「気の毒な先生だ。数奇な生涯だ。」…
「御嶽行きとは、それでも御苦労さまだ。山は…
「皆さんは馬籠の方から。それはよくお出かけ…
「お師匠さま。」…
「勝重さん、君もそう長くわたしのそばにはい…
青空文庫現代語化 Home
>
書名リスト
>
青空文庫現代語化 Home
リスト