島崎藤村 『夜明け前』 「どうも半蔵さんばかりじゃなく、伊之助さん…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』

現代語化

「半蔵さんだけじゃなく、伊之助さんも賛成だとは意外ですね」
「でも結果が悪いと分かったら、改めるのが当然じゃないですか」
「そんなことで、先祖代々やってる祭りを変えるのはおかしいでしょ」
「でも、人の心を改めるには、その根本から変えないとダメだと思うんです」
「それは理屈だ」
「じゃあ、69人もいる破戒僧が数珠つなぎにされて、江戸の吉原とか、深川とか、品川新宿とかに出入りするというかどで、あの日本橋でさらし者になって、一か寺の住職が島流しになったり、所化する坊主が寺法で罰せられたのはどうですか」
「お寺ってだけでむやみにありがたいと思ってるから、昔からたくさん土地を寄付したり、先祖の位牌を預けたり、宗門帳まで預けたりして、その結果はどうでもよかったんです」
「これは面白い話だ」

原文 (会話文抽出)

「どうも半蔵さんばかりじゃなく、伊之助さんまでが賛成だとは意外だ。」
「でも結果から見て悪いと知ったことは、改めるのが至当ですよ。」
「そんなことで、先祖以来の祭り事を改めるという理由にはなりませんよ。」
「しかし、人の心を改めるには、どうしてもその源から改めてかからんことにはだめだと思いますね。」
「それは理屈だ。」
「そんなら、六十九人もの破戒僧が珠数つなぎにされて、江戸の吉原や、深川や、品川新宿のようなところへ出入りするというかどで、あの日本橋で面を晒された上に、一か寺の住職は島流しになるし、所化の坊主は寺法によって罰せられたというのは。」
「お寺とさえ言えば、むやみとありがたいところのように思って、昔からたくさんな土地を寄付したり、先祖の位牌を任せたり、宗門帳まで預けたりして、その結果はすこしも措いて問わないんです。」
「これは聞きものだ。」


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