過疎地の着任者

過疎地の着任者は、

(1) 事が起こった時にのみ派遣される人と現地定住者との橋渡しを果たすべく、中央語と現地語の双方に精通し、高い言語能力を持っていなければならない

(2) 事が起こった時にのみ派遣される人の案内をするために、現地地理(たいてい広域である)に通じなければならない。

同時行動可能性

同時に行動できるという性質が、社会を有機的なものとして根本的に成り立たせている。

同時に行動できなければ、その非効率さが生む嫌気に支配されてしまうだろう。

同時に行動できることによって、どんな人にも1日は24時間しかないという絶対的な制限はいくぶん解消される。

発想の元:
井上 孝司 : 配線略図で広がる鉄の世界―路線を読み解く&作る本 (秀和システム, 2009) p.76.

同時進入を可能にすることでダイヤに柔軟性を持たせる配線は、この後にもいくつか出てくる

同書 p.98.

単線区間の交換可能駅で双方からの同時進入を可能にするために、安全対策として安全側線を設けるというのが正しい。

自国語と外国語

言語能力の不足は、外交の敗北に繋がる。

言語能力は、主に自国語によって訓練される。しかし、自国語はその「国語」としての歴史のなかで簡易化されているので、自国語に秀でることが、言語能力のある部分において弱点をもつことに繋がりかねない。

外国語の知識は、自国語が原因である弱点を気づかせ、言語能力の隙を減じさせる。

「システム」の制圧のために

「システム」の制圧を政治的な勝利をもって達成するためには、

● 対象「システム」における生活機能(非脅威)と安全保障機能(脅威)を区分け、あるいは、事前情報がないならば即座の脅威判定を行い、
● そして、脅威に致命的な影響を与えなければならない。

即ち、諜報力とアクセス力が必要である。

確率的勝利

森 博嗣 : 笑わない数学者 (講談社文庫, 1999) p.384.

「負け方が分からなかったんだよ、君は」犀川が言う。「勝つことばかり考えていた。どうやって負けたら良いのかも、考えなくちゃ。それが名人というものさ。…」

「勝つか負けるかなんて、ちょっとした運なんだ。どっちだって良い。

勝敗は六分か七分勝てばよい――岡崎 久彦「戦略的思考とは何か」

大連

竹内 正浩 : 鉄道と日本軍 (ちくま新書, 2010) p.197.

 青泥窪は、ニコライ二世によってロシア語で「遠い」という意味のダーリニー(達爾尼[:ダルニ])と改称された。

竹内 正浩 : 鉄道と日本軍 (ちくま新書, 2010) p.198.

 陥落七か月後の明治三八年一月二七日、占領行政を担当する日本の遼東守備軍は、紀元節の二月一一日をもって青泥窪を大連と改称する旨、布告している。

「善」とは、モンスターの影響を減らす仕組みがもつ性質

「善」とは、モンスターの影響を減らす仕組みがもつ性質である。即ち、モンスターの数を減らす仕組み、また、モンスター個体の影響力を減らす仕組みがもつ性質である。

初出: Twitter / @TAKAGI-1 高木 一: 2011/4/16

モンスター化を防ぐ人文学

モンスター化を防ぐ人文学。

茂木 健一郎 : 思考の補助線 (ちくま新書, 2008) p.15.

利害が必ずしも一致しない人たちが集まって社会ができる。ときにはならず者や極悪人や独裁者が現れるこの世の中でいかに平和を保ち、繁栄を志向し、幸せを実現できるか。そのような真摯な関心から、経済学や政治学といった人文社会の諸学は顕れた。

2011年3月掲載・毎日新聞「異論反論」 テレビ消し、仕事に戻ろう – 岡田斗司夫公式ブログ

今回の大震災について、被害は大きく分けて4つある。
1次災害…地震や津波
2次災害…原発事故やインフラ破壊
3次災害…社会不安
4次災害…モンスター化する我々

… 実は災害で最も被害の大きいのは1次2次ではなく3次4次だ。それは天災でもなく、権力者やメディアの怠慢でもない。我々自身が起こしたり防いだりできることだ。

…あなたの自制は社会の不安を減らす。

…我々自身が災害の原因になってモンスター化してはいけない。

災害の近くでもちゃんと定食屋を開けている主人がいる。定時運行を心がけている鉄道マンたちがいる。だからみんな「あ、やっぱり大丈夫なんだ」と少しだけ安心できる。この「小さな安心」がムダな社会不安を減らし3次4次災害を減らす。

Twitter / @岡田斗司夫: どの時代のどの民族もモンスター化します。僕もあなたも同じです。だから「自分や身近な人がモンスター化する確率を減らす」しか対抗手段はないんです 2011/3/23 10:41am

悲劇のエピソード

災害の後においてみられる、悲劇のエピソードの報道は「教科書に載らない」 情報である。

水村 美苗 : 日本語が亡びるとき (筑摩書房, 2008) p.251.

この世には二つの種類の〈真理〉がある。別の言葉に置き換えられる〈真理〉と、別の言葉には置き換えられない〈真理〉である。別の言葉に置き換えられる〈真理〉は、教科書に置き換えられる〈真理〉であり、そのような〈真理〉は〈テキストブック〉でこと足りる。ところが、もう一つの〈真理〉は、別の言葉に置き換えることができない。それは、〈真理〉がその〈真理〉を記す言葉そのものに依存しているからである。その〈真理〉に到達するには、いつも、そこへと戻って読み返さねばならない〈テキスト〉がある。

 アリストテレスがいまだ読み続けられているのは、かれの書いたものが〈テキストブック〉には還元できない〈テキスト〉でもあるからにほかならない。