子供食堂は、社会を守る

子供食堂は、社会を守る。

なぜならば、人は、余裕があると、効率がいいからだ。

不足すると分かっていると余計めに

江畑 謙介 : 軍事とロジスティクス (日経BP社, 2008) p.22.

戦闘部隊の方も、補給を要請したところで本当に到着するか分からないし、大体、補給要請書(連絡)が無事に届いて、的確に処理されたかどうか不安だから、同じ補給物資を何度も要求しがちである。そのため、同じ物資が重複して前線部隊に届けられるという事態も生じる。前線部隊はだからといって送り返すなどということはしないから、補給物資には膨大な無駄が生じる。同じ部隊に二度、三度と同じものを届けるためにトラックや輸送機が使われると、より切迫した状況で補給を必要としている他の部隊に補給品を輸送する手段が不足するという結果になる。

効率が、生きられる人口を規定する。効率が、社会を守る。

子供食堂は、割に合いやすい投資だろう。

辺境では表に現れやすい

英国のEU離脱の大きな理由は、東ヨーロッパからの移民である。つまり、ソビエト連邦の崩壊が起点になっている。

ソ連崩壊により、東ヨーロッパの有能で安い労働力が、西側経済に組み込まれた。これが、1990年代以降の、世界的経済発展の大きな要因である。

英国のEU離脱は、その煽りが発現したものだ。EU域の辺境である英国において、それは起こった。

マルクス・エンゲルスの「共産党宣言」の1890年のドイツ語版序文において、エンゲルスが、共産主義革命の候補地として挙げていたのは、当時の世界の辺境である、アメリカとロシアであった。

「共産党宣言」序文

そして、この二つの事情は、アメリカ自身にたいしても革命的な反作用をおよぼす。全政治制度の土台である自作農の中小の土地所有は、巨大農場の競争によってしだいにやぶれ、同時に、工業地帯では、おびただしいプロレタリアートと、考えられないような資本の集積とが、はじめて発展しつつある。

 では、ロシアはどうか! 一八四八―四九年の革命当時には、ヨーロッパの君主たちだけなく、ヨーロッパのブルジョアもまた、ロシアの干渉を、ちょうどはじめて目ざめつつあったプロレタリアートからの唯一の救いと考えていた。ツァーリはヨーロッパ反動の首領である、と宣言された。今日、彼は革命の捕虜としてガッチナにいる。そして、ロシアはヨーロッパの革命的活動の前衛になっている。

辺境は、周囲との調整圧力が弱い(すなわち、大陸的ではない)ためか、保守にせよ、革新にせよ、絶妙な組み合わせではなく、大きくどちらかに振ったものが、表(おもて)に現れやすい傾向にある。

初出:
Facebook 2016/ 6/26

世界は多層質だ。多層全体での強度が重要だ

英国のEU離脱国民投票の結果を見るに、世界の現在の形には、是非が拮抗しているものもあるのだと気づく。

世界は、一枚岩ではない。多層質だ。

多層全体での強度が、重要だ。つまり、層の組み合わせ状態も重要であるし、各層の強度も重要だ。

初出:
Facebook 2016/ 6/25

改憲に必要なもの

日曜日は、参議院選挙でした。

改憲勢力が、衆参両院で 2/3 を確保しました。

「革命的高揚から革命情勢への過渡期」というのは、共産主義者同盟赤軍派が表現した 1969年当時の日本の状況です。
彼らは暴力革命・武装蜂起による革命を目指しましたが、連合赤軍として最終的には、あさま山荘事件と山岳ベース事件で、日本国民から見放されました。

前段階武装蜂起論 – Wikipedia (2015年3月23日 (月) 09:44 の版) 抜粋引用

日本の状況(1969年当時)は「革命的高揚から革命情勢への過渡期」に突入しているとし、それに対応するため、暴力革命の原動力となる「赤軍」を組織し、武装しなくてはならないとする。「赤軍派」の名称はこの理論に由来する。
他の新左翼党派のようにゲバ棒を振り回したり、火炎瓶を投げつけるだけでは、一時的な騒乱状態を作り出すことは出来ても、国家権力の打倒や革命政府の樹立などは到底無理である。革命を成就させるためには、爆弾や銃による武装蜂起が不可欠であるとする。

山岳ベース事件 – Wikipedia (2016年6月11日 (土) 04:29 の版) 抜粋引用

あさま山荘事件終結後も、日本社会党の議員や左派系マスメディアの中には、連合赤軍を擁護する主張・言動を続けていた者が少なからず見られた。しかし、あさま山荘事件とその直後に発覚した山岳ベース事件の真相と連合赤軍の実態が明らかにされるにつれて、連合赤軍を擁護した者たちの面目と社会的信用は丸つぶれとなった。かくて、左派として行動・主張してきた者たちもことごとく一斉に手の平を返し、赤軍を批判する側へと回っていった。

日本国内では、これまで新左翼運動を否定的に見ていた人間はもちろん、新左翼運動を好意的に見ていた人間も、この事件によって新左翼(極左)を嫌悪するようになっていった。それまで世論の一部に存在していた連合赤軍に同調する動きもまた、一気に冷却・縮小していった。

現在に戻って、憲法改正は、国民投票による過半数の賛成を要します。国民の関心が鍵を握ります。

大規模な改憲を成し遂げるには、改憲の機関と、国民の間で、良質なコミュニケーション(リスクコミュニケーションを含む)を必要とします。改憲機関が、声が大きいだけの極少数派に影響されないよう、国民は、賛成と反対の声をあげねばなりません。国民において憲法問題の日常化を必要とすることでしょう。大規模改憲は、国民に、国の不易と流行を問います。

「(住民投票を経て)大阪市民が一番、行政に精通していると言えると思う」。これは、2015年 5月17日、大阪市特別区設置住民投票(いわゆる「大阪都」に関する大阪市住民投票)の結果が出たあと、会見で橋下 大阪市長が語った言葉です。憲法改正の国民投票後、日本国民はこうでありたいと思います。

初出:
Facebook 2016/ 7/13

2016年参議院選挙、18歳の有権者

今18歳の人が2009年の政権交代(鳩山由紀夫内閣)を経験した年齢は、私の世代が1993年の政権交代(細川内閣)を経験した年齢と、およそ同じである。

この参議院選挙での、18・19歳の比例投票先が自民党である率が、全世代平均よりも高いという結果を、私は真っ当に思う。

私は、短命に終わったものの選挙制度改革を成し遂げた細川(、そして羽田)政権に対して否定的ではないが、細川政権誕生前の「椿事件」をその後知り、それを決定的理由として、大手マスコミの報道から距離を置くようになった。

初出:
Facebook 2016/ 7/10