私見:
インターネット、及びそのアプリケーションの発達は、どのようにして現代の人類の発達につながっているのか。
(1) 情報源の利用・人々間の通信のための時間消費低減と、大規模な仕事の可能化
インターネットによって、人類は意思疎通・情報入手・情報発信にかかる時間の消費から解放された。
これは、忘れないうちに他者に頼んだ仕事の成果が帰ってくること、及び、大人数の他者に複雑な情報伝達ができることをもたらした。
これらによって、大規模集団による仕事が可能になり、広い範囲に影響を与える大規模な仕事が可能になった。
(2) 超巨大商圏の出現
インターネットは、(裕福な)あらゆる人口を結び、超巨大商圏をつくった。
第3次産業の発展は、その商圏における人口の多さによる。よって、インターネットによる超巨大商圏は、未だかつて無いほどに肥沃な第3次産業の土壌である。
市川 宏雄 : リニアが日本を改造する本当の理由 (メディアファクトリー新書, 2013) p.150.
サービス業を主体とする第三次産業は、都市のスケールが大きくなればなるほど、爆発的に発展する。
(3) 一般に使える知能増幅器の出現
インターネット端末は、知能増幅器(IA)として機能する。
西垣 通 : 集合知とは何か – ネット時代の「知」のゆくえ (中公新書, 2013) pp.69-70.
二一世紀にかけてIT業界では何が起こったのだろうか。
端的にいうと、それは「AI (Artificial Intelligence)から IA (Intelligence Amplifer)への転換」である。コンピュータに問題解決を丸投げするのではなく、コンピュータの能力を上手につかって人間の知力を高め、問題を解決するという方向にほかならない。コンピュータは、人間のような知能をもつかわりに、人間の知能を増幅(amplify)する役目をおびるのである。
そこ[:IA]には二種類の対話概念が出現している。第一は、一人の人間がコンピュータとリアルタイムで対話しながら思考するということ。そして第二は、多数の人間同士が、通信回線で相互接続されたコンピュータ群を介してつながり、情報を共有してたがいに対話しながら、問題を解決するということである。…
…真の新世代コンピュータとは、八〇年代に日本が苦労して開発した第五世代コンピュータではなく、パソコンとネットだったのである。
「Web 2.0」(人々によって意識的に発信された情報の、計算機を通じた利用)によって、IA が成立した。
「ビッグデータ」(人々によって無意識に発信された情報、及び機械によって発信された情報の、計算機を通じた利用)によって、IA がさらに発展する。