特定高圧ガス消費者は届け出のみ

平成25年度高圧ガス製造保安責任者甲種機械 法令試験の復習:

3.イ [特定高圧ガスを]貯蔵して消費する者は、事業所ごとに、消費開始の日の20日前までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

許可は不要である。

高圧ガス保安法

第二十四条の二  圧縮モノシラン、圧縮ジボラン、液化アルシンその他の高圧ガスであつてその消費に際し災害の発生を防止するため特別の注意を要するものとして政令で定める種類のもの又は液化酸素その他の高圧ガスであつて当該ガスを相当程度貯蔵して消費する際に公共の安全を維持し、又は災害の発生を防止するために特別の注意を要するものとして政令で定める種類の高圧ガス(以下「特定高圧ガス」と総称する。)を消費する者(その消費する特定高圧ガスの貯蔵設備の貯蔵能力が当該特定高圧ガスの種類ごとに政令で定める数量以上である者又はその消費に係る事業所以外の事業所から導管によりその消費する特定高圧ガスの供給を受ける者に限る。以下同じ。)は、事業所ごとに、消費開始の日の二十日前までに、消費する特定高圧ガスの種類、消費(消費に係る貯蔵及び導管による輸送を含む。以下この項において同じ。)のための施設の位置、構造及び設備並びに消費の方法を記載した書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない

圧倒性と奇策の違い

上級指揮者は、圧倒性を追求する。なぜならば、圧倒性が、他者に我が意志を強制するからだ。すなわち、圧倒性が戦略の成果の源泉であるからだ。

圧倒性のためには、複数の任務遂行パッケージが堅牢に機能していなければならない。任務遂行パッケージを活動させ、意図した順序で、あるいは意図した時期に同時に、成果を発現させる。圧倒性の根源は、先行性と順序性・同時性 (両性質はともに、組み合わせを意味する。「アイデアは新しい組み合わせである」) である。故に、上級指揮者は、時期に関心をもつ。

任務遂行パッケージが堅牢性を損ねるような、すなわち圧倒性の堤(つつみ)にわざわざ穴が生じるような奇策は要らない。「戦略は兵力を必ず同時的に使用せねばならない」のである。当たり前のことを当たり前のように実行する平凡性が必要である。当たり前に実施すべき・確認すべき事項を実施・確認し、当たり前のように工夫を続け、当たり前のように実り多い領域を見つけていかなければならない。

中級以上の指揮者は、大計を構築し、また、予めリスクに備え、他者に我が意志を強制するために、事案を引き起こし、 事案の処理に操作を加える。その際の活動主体は、任務遂行パッケージであり、これを日頃から整備する。

下級指揮者は、奇策・個々の工夫に満足する。資源が限られる中、“何とか成し遂げる、何とかやっていく”(:これは、英語manageの意味である)ために有効な手段は、奇策・個々の工夫である。「戦術は兵力を小出しに(継続的に)使用しても差支えない」のである。

関連:
中西 輝政 : 情報を読む技術 EPUB版 (サンマーク出版, 2012) p.186.

 どのような世界でも、自分と相手のめざすものや理想とする形が百パーセント一致することはきわめて稀です。そこで相手をこちらの意に沿うように動かそうと思ったら、相手の心に影響を与えて行動を変えさせる、あるいは好ましい方向にコントロールする。つまるところ「戦略」とは、このことに尽きます。

  関連の関連:
  「戦略」という言葉は2つの意味に使われている
クラウゼヴィッツ=著 篠田英雄=訳: 戦争論 (上) (岩波書店, 1968) p.314.

戦術と戦略との差異に関する結論は、―― 戦術は兵力を小出しに(継続的に)使用しても差支えないが、戦略は兵力を必ず同時的に使用せねばならない、ということである。

任務遂行能力パッケージの構成、任務遂行能力の要件(DOTMLPF) 本記事での「任務遂行パッケージ」は、リンク先の「任務遂行能力パッケージ」ほど大がかりなものを限定していない。たとえば、特許 1通だけでも「任務遂行パッケージ」になる。

能力を最大限に生かすために、手続きや問題の回避策を用意しておく

設計とは、媒体と反媒体の配置を決める行為である

設計とは、媒体と反媒体の配置を決める行為である。

 ・肉の設計: 肉、即ち、荷重を受け持つ構造は、応力、より正しくは、運動量の媒体である。

 ・通路の設計・隙間の設計: 通路・隙間を埋める流体は、媒体である。通路・隙間の枠は、反媒体である。

 ・筐体の設計: 筐体は、外乱・反〈目的〉な現象に対して反媒体であり、意志・合〈目的〉な現象に対して媒体である。

設計が扱う対象が媒体と反媒体を配置だ、という視点をもてば、設計行為が扱える領域を広く考えることができる。

「しくみの発達博物館」開設のお知らせ、その特徴と背景

少し前になりますが、2013年11月23日、新しいWebサイトの公開を開始しました:

 しくみの発達博物館
 http://takagi1.net/shikumi/

  サイトのメッセージ:

すべての当たり前のモノは、だんだんと発達してきた――人々の願いと賢さ、そして人々の「わたしたちの願いは何だろうか?」「賢くなろう!」「願いを実現しよう!」「賢さを使おう!」という気持ちを支えたモノのおかげで。

本がいっぱいある、インターネットも使える、遠くの人ともやりとりができる、今のわたしたちにできることは、きっと多い。

● 内容:産業博物館(≒技術史博物館)、でもそれだけではない

内容は、一次近似で言えば、産業博物館(≒技術史博物館)です。「しくみの発達博物館」として、〈モノの仕組み〉技術史に合わせて、〈社会が持つ仕組み〉社会制度史も扱っています。

● Webサイトとしての特徴:小学生向け(小学4年生以上)を意識したサイト

私としては初めての小学生向け(小学4年生以上)を意識したサイトです。小学4年生以上で習う漢字にはルビを振り、また画面スクロールなしで見られるようコンテンツを小分けにしました。

小学4年生で習う漢字には、社会人になって頻繁に使う漢字が多いことに気づきました。

 例えば: 械 関 願 器 機 議 験 航 産 史 試 初 選 的 働 博 飛 例 歴

対象を小学4年生以上だとしている根拠は、川喜田 二郎=著『発想法』の 「自分の住んでいる町の歴史的発展を理解するなどのように、時間的にみて鎖状に、前から後へつながる意味での関係認知能力ができるのは、じつに十歳以後であるという」 ですが、(小学4年生が特別ではないのでしょうが) 大事な時期だということが分かります。

● 背景:知性を守護し、増進させる仕組みとしてのWeb博物館

私は、技術史が好きです。

小学5年生のとき、本格的に歴史を学びはじめたときに、鮮烈に感動したのは、縄文土器(火焔土器)の美しさでした。

時を経て、私は、大学・大学院と工学部・工学研究科に属しました。そこで聞いた講演の、工学部学生・出身者は自分を技術史のなかに位置づけるべきだ、という話が琴線に響き、技術史への興味はさらに強まりました。そこで、技術史に関するサイトのブックマークを集めていました。

さらに時を経て 2012年、知性を守護し、増進させる仕組み――精神主義ではなく、仕組み――を作ろうと構想しました。この時に、ある産業博物館のことを思い出したのです。その博物館とは、アメリカ合衆国デトロイトにあるヘンリー・フォード博物館。「ヘンリー・フォード博物館を作ろう」と思ったのです。

大学で受けたある講義において、同博物館は米国の知性の源、だと表されていました。

同博物館では、米国を代表する歴史的知性であるエジソンやライト兄弟に関する展示、また米国を象徴する自動車の展示がされています。しかし、講義で教官が示した理由は、それではありませんでした。

挙げられた理由は、昔の掃除機の展示があること、でした。家電の発展、生活の発展が展示されているのです (参考: Home Arts, Fully Furnished / Home Arts, Fully Furnished 2 )。

つまり、同博物館は、米国における、歴史的な〈人による生産物〉を、産業から生活に至るまで展示しています。私は、同博物館が米国の知性の源である理由を、エジソン・ライト兄弟・自動車を生み出し、支えた、その時代の人々の生活が、明示的に示されている点だと考えました。

この考えを発展させ、作り出されたのが、「しくみの発達博物館」です。

ここに明らかなように、「しくみの発達博物館」は、単なる産業博物館ではありません。

ヘンリー・フォード博物館における産業-生活の軸を、「しくみの発達博物館」では、知性-学術的・経済的・動員的・安全的・健康的基盤という軸に捉え直しました。また、(人類最大の勘違いとも言われますが、)社会・人間は漸進的に進歩するという思想を織り込んでいます。

制作・運営に関する思想の詳細は、「しくみの発達博物館」について に載せています。

4つの設計

肉の設計は、反力受けのためにされる。

 (反力を発生させて、位置を保持する)

通路の設計は、流体の移動のためにされる。

 (流体そのものの移動、圧力の急速な均一化、排熱など)

隙間の設計は、相対運動や、流体圧力の利用のためにされる。

 (お互いに寸法公差、熱膨張、変形がある品物同士の運転時・組立て時の相対運動、良好な潤滑。
 圧力導入による張り力・自己シール性の発生、圧力バランスによる駆動力の軽減)

筐体の設計は、外界との良い接触のためにされる。

 (全体が移動する際の空気抵抗の軽減、内部への侵入防止、メンテナンス時のアクセス性の良さ、操作・監視箇所の明示、見栄えの良さ)

状態量、示量性と示強性

状態量 : 経路に依らない。

示量性と示強性は、状態量の分類の一つである。これによって、状態量は、示量変数(extensive variable)と示強変数(intensive variable)の2種類に分けられる。

  示量性: 系の大きさ、体積、質量に比例すること。
  示強性: 示量性を持たないこと。