生産・使用と、思想・表現・言論の自由

私は、国産にかかる政治コストにおいて、法規が新たな製品の国内生産を可能にする柔軟性を持っていなければならないことを述べた。

より根本的には、思想・表現・言論の自由である。新たな思想・表現・言論が可能でなければ、新たなあらゆる事柄を、国内で生産・使用することはできない。

多人数での思想共有に大きな障害が発生するリスクがあるからだ。現代では、生産・使用を多人数で行い、コストを下げなければならないのだ。

なお、
ヨーロッパ諸国のたいていの国において、国民の思想・表現・言論の自由が保障されているものの、キリスト教が一部自由を(潜在的に)制限している。

たとえば、ホンダは、ASIMO 開発の途中でローマ教皇庁に人間型ロボットを作ることの是非について意見を求め、問題がないことを承認してもらった。

国産にかかる政治コスト

国産とは、技術力(生産設備、生産者の知識・教養・技能・管理能力など)だけによって実現されるものではない。

その国の法規が国内生産を可能として、はじめて実現する。

すなわち、法規が、

 ・新たな製品の国内生産を可能にする柔軟性

 ・安全・環境保全の確保

を両立していなければならない。

そのためには、法規の内容が、技術の本質と乖離していないことが必要であるが、新たに生産しようとする製品に関する技術は日進月歩である。

故に、

 ・適切な法規に改訂する政治コスト

が継続的に払われていなければならない。

3次元ベクタードノズル

上下・左右にエンジン推力を偏向できるノズル (上下あるいは左右、どちらか一方向のみ偏向可能なものは「2次元」と表現される)。

Su-27 Mighty Wing

Su-30MKI

1997年に初飛行、1998年から配備が開始されたインド向けのSu-30MKIは、Zhuk-PH N011フェイズドアレイレーダーを持ち、またSu-37で培われた推力偏向ノズルをさらに進化させたAL-31FPおよびAL-37PPをもち、3次元推力偏向能力をもちます。このことにより世界初の3次元推力偏向エンジンを持った実用戦闘機となりました。恐らくはSu-30MKIはSu-37の機動性を上回るでしょう。

PAK FA (航空機) – Wikipedia (2011年12月3日 (土) 08:27‎ の版)

候補機
T-50

T-50の仕様に関する信頼できる情報はまだ少ないが、アメリカのF-22に対抗するために高度なステルス性と、サトゥールンAL-41ターボファンエンジン(推力14.5t程度)2基の搭載によってアフターバーナー無しでのスーパークルーズの実現を目指していると伝えられる。また、Su-47と1.44の技術を取り入れていると言われている。ノズルは推力偏向式でそれぞれ左右に+-16度、上下に+-20度ずつ可動し、高い空中機動性を発揮するともいわれる。

なお、ベールクト(Su-47, S-37 Berkut)には搭載されていない。

Su-47 (航空機) – Wikipedia (2011年12月7日 (水) 19:42‎ の版)

TVC(推力偏向システム)が搭載されていると誤解されるが、現時点では、排気系は通常のノズルである

イベントに間に合わせなきゃ

出川 通 : 技術経営の考え方 MOTと開発ベンチャーの現場から (光文社新書, 2004) p.106.

 開発の目標は、新技術をいかに使うかではなく、いかに早く目的を達成する装置を完成させるかです。

NHKスペシャル「世界を変えた男 スティーブ・ジョブズ」(NHK総合テレビ、2011年12月23日 午後10時00分~10時49分)
Steve Jobs

技術は短期間で廃れるが

生み出された物語は
何十年、何百年と語り継がれていく

――「TIME」誌(1999年)

単純な結果

単純な結果が表れるということは、ひとつの要素が支配的であるということだ。

もし、それが実際の状況を表わしていないならば、ある要素を過剰評価しているのであり、評価方法(数式など)や評価のための入力が誤っている可能性がある。

一巡してから、本当の検討が始まる

一巡してから、本当の検討が始まる。

解決手段 Aのメリットが話題になった後、しばらくしてAのデメリットが話題になり、そのうちに Aの検討がされなくなる。これが、B、C、……に関して、繰り返される。

そして、万能な解決手段がないことに気づき、A、B、C、……のメリット・デメリットを含めた検討が始まる。

運用者との会話

運用者は、性能の相互関係(ある運転条件を変えると、それが他の運転条件にどのような影響をあたえるのか)を知りたい。この知識によって、運用者は、想定・シミュレーション・ケーススタディーができる。

運用を検討している人に、トレードオフの網をかぶせてやれ。運用検討人の集団の個々人が理解可能で、その集団内で共有可能にして(形式知化)。

運用者の関心領域を知るために、開発者・設計者は、性能を点で抑えず、面で把握して、時々、定格から縦横にずらした話をするとよい。

ただし、定格からずれることは、水飴のなかを泳ぐように大変である。この水飴をさらさらなものに感じられるようになったら、開発者・設計者として「精通した」と言えるのだろう。