4つの設計

肉の設計は、反力受けのためにされる。

 (反力を発生させて、位置を保持する)

通路の設計は、流体の移動のためにされる。

 (流体そのものの移動、圧力の急速な均一化、排熱など)

隙間の設計は、相対運動や、流体圧力の利用のためにされる。

 (お互いに寸法公差、熱膨張、変形がある品物同士の運転時・組立て時の相対運動、良好な潤滑。
 圧力導入による張り力・自己シール性の発生、圧力バランスによる駆動力の軽減)

筐体の設計は、外界との良い接触のためにされる。

 (全体が移動する際の空気抵抗の軽減、内部への侵入防止、メンテナンス時のアクセス性の良さ、操作・監視箇所の明示、見栄えの良さ)

状態量、示量性と示強性

状態量 : 経路に依らない。

示量性と示強性は、状態量の分類の一つである。これによって、状態量は、示量変数(extensive variable)と示強変数(intensive variable)の2種類に分けられる。

  示量性: 系の大きさ、体積、質量に比例すること。
  示強性: 示量性を持たないこと。

全体を示すこと

「全体を示すこと」の重要性は、新幹線のデッキに貼られている時刻表を見ればわかる。

A2サイズ? の紙 1枚に、東海道山陽(・九州 ?)新幹線の全駅・全列車の時刻が書かれている様(さま)は、何駅・何本あるか分からない新幹線の運行が紙1枚に表せることで、見る者に安心感を持たせる。

技術が無臭になっていく

技術が無臭になっていく。

最近の阪急電鉄 神戸線・宝塚線では、節電のためか、最新の9000系車両が活躍をしている。

そのなかで、神戸線において、8000系車両に乗った。駅を出発する時に、制御に用いられている GTO-VVVFインバータ 由来の磁励音(磁歪音)が響きわたる。

対して、9000系車両は静かだ。今度登場する1000系車両は、さらに静かなのだろう。

電気機器が発する音は不要である。それが無くなっていく。少なくとも、一般人がそれを聞くことはなくなっていく。技術が無臭になっていく。

技術が無臭化について、より一般的な例を示そう:

原動機が発生できるトルクと回転数は、原動機の種類・型式によって異なる。たとえば、電動機は、一般に、小さすぎるトルクと大きすぎる回転数をもつ。

また、回転機器が必要とするトルクと回転数も、機器の種類・型式によって異なる。

原動機と回転機器の両者共に最適な条件での組み合わせできない場合には、さまざまな工夫がなされてきた。工夫は、機械全体の効率を高める。しかし、そもそも工夫が必要だということは最適ではなく、したがって、高められた効率といっても、それは最適な効率から劣っている。即ち、臭いだ。

今日、電動機とインバータを用いることによって、両者共に最適に近い条件での組み合わせが比較的容易にできるようになった。技術が無臭になっていく。