PDCAの「C」に集中する

「イージスの父」Meyer提督の物造り哲学 第3項の本質は、“PDCAの「C」に集中する”ことにあるのだと、下記する本2冊を読んで、気づいた:

大熊 康之 : 軍事システムエンジニアリング―イージスからネットワーク中心の戦闘まで、いかにシステムコンセプトは創出されたか (かや書房, 2006) p.344.

Build a little, Test a little, Learn a lot

(小部分を造り、その小部分を試験し、そこから多くを学べ)

金田 博之 : 初速思考 30代で一気に突き抜ける人の集中戦略 電子書籍版 (日本実業出版社, 2013) 位置No.297/1989.

PDCAのPよりも「C」に集中させて高速回転させる。

金田 博之 : 初速思考 30代で一気に突き抜ける人の集中戦略 電子書籍版 (日本実業出版社, 2013) 位置No.423/1989.

振り返りをしないことは、経験をそのままほったらかしにしていることです。これでは、目の前の仕事を毎回「その場しのぎ」で感覚的に進めるだけになってしまいます。

奥野 宣之 : 情報は1冊のノートにまとめなさい[完全版] Kindle版 (ダイヤモンド社, 2013) 位置No.126/2210.

常に一冊のノートだけに情報を入れ、それを読み返す。

圧倒性と奇策の違い

上級指揮者は、圧倒性を追求する。なぜならば、圧倒性が、他者に我が意志を強制するからだ。すなわち、圧倒性が戦略の成果の源泉であるからだ。

圧倒性のためには、複数の任務遂行パッケージが堅牢に機能していなければならない。任務遂行パッケージを活動させ、意図した順序で、あるいは意図した時期に同時に、成果を発現させる。圧倒性の根源は、先行性と順序性・同時性 (両性質はともに、組み合わせを意味する。「アイデアは新しい組み合わせである」) である。故に、上級指揮者は、時期に関心をもつ。

任務遂行パッケージが堅牢性を損ねるような、すなわち圧倒性の堤(つつみ)にわざわざ穴が生じるような奇策は要らない。「戦略は兵力を必ず同時的に使用せねばならない」のである。当たり前のことを当たり前のように実行する平凡性が必要である。当たり前に実施すべき・確認すべき事項を実施・確認し、当たり前のように工夫を続け、当たり前のように実り多い領域を見つけていかなければならない。

中級以上の指揮者は、大計を構築し、また、予めリスクに備え、他者に我が意志を強制するために、事案を引き起こし、 事案の処理に操作を加える。その際の活動主体は、任務遂行パッケージであり、これを日頃から整備する。

下級指揮者は、奇策・個々の工夫に満足する。資源が限られる中、“何とか成し遂げる、何とかやっていく”(:これは、英語manageの意味である)ために有効な手段は、奇策・個々の工夫である。「戦術は兵力を小出しに(継続的に)使用しても差支えない」のである。

関連:
中西 輝政 : 情報を読む技術 EPUB版 (サンマーク出版, 2012) p.186.

 どのような世界でも、自分と相手のめざすものや理想とする形が百パーセント一致することはきわめて稀です。そこで相手をこちらの意に沿うように動かそうと思ったら、相手の心に影響を与えて行動を変えさせる、あるいは好ましい方向にコントロールする。つまるところ「戦略」とは、このことに尽きます。

  関連の関連:
  「戦略」という言葉は2つの意味に使われている
クラウゼヴィッツ=著 篠田英雄=訳: 戦争論 (上) (岩波書店, 1968) p.314.

戦術と戦略との差異に関する結論は、―― 戦術は兵力を小出しに(継続的に)使用しても差支えないが、戦略は兵力を必ず同時的に使用せねばならない、ということである。

任務遂行能力パッケージの構成、任務遂行能力の要件(DOTMLPF) 本記事での「任務遂行パッケージ」は、リンク先の「任務遂行能力パッケージ」ほど大がかりなものを限定していない。たとえば、特許 1通だけでも「任務遂行パッケージ」になる。

能力を最大限に生かすために、手続きや問題の回避策を用意しておく

実施の肝要

何かを実施するときには、以下を知っていると最強である:

・実施の始点を知っていること。(:依頼先、依頼書類様式など)
・状況の操縦法を知っていること。
・次に起こることを知っていること。
・現在の状態を知っていること。(:管理できていること)

情報の重要性

戦闘における個々の事象は、確率に支配される *。即ち、戦闘はリスクであり、勝利はプロフィット(利益)を生む。

 * 戦闘における損失を、兵力の関数として表現する「ランチェスターの法則」が、それを示唆している。

しかし、いつ・どこで戦うかは、戦闘における確率を新たな確率で上書きする。すなわち、戦闘における有利/不利を生む。いつ・どこで戦うかは、情報によって決められる。故に、情報は、戦争においても企業活動においても、重要である。

時間∝1/能力 見積もりと現実に40%の差異

時間の見積もりをどうするか? -「仕事が忙しい!」の9割は思い込みだった【2】:PRESIDENT Online – プレジデント

100時間のつもりで計画を組んでも、実際は140時間かかるケースが多いというのです。

【読了】経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目(ダイヤモンド社) | 読了blog@33歳

188ページ
人は、自分の能力については40%のインフレで考え、他人の能力は40%のデフレで考える。… (ロッキード事件を指揮した検事)

気持ち悪さの効用

人は、結論が損失である論理の不成立よりも、結論が損失である論理の成立を快く感じるのである。

結論が損失である論理の不成立は、理解における気持ち悪さとして感じられる。

結論が損失である論理に気持ち悪さを感じる場合には、損失を免れる方法がある可能性があることを感じているのである。これを突き詰めよ。

おそらく、損失を免れる方法を実現するために制御すべき点は、結論が損失である偽論理の外部(その偽論理において注目されていない点)にある。

タイムマネジメント

梅田 望夫 : ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く! (文藝春秋, 2008) p.201.

「ニューノーマル」時代における成功とは、タイムマネジメントに尽きる。この時代における通貨は、時間なのである。―― ロジャー・マクナミー

Success in the New Normal is all about time management. Time is the currency of this age. ―― Roger McNamee