メタノールとエタノールの水溶液を蒸留して、互いを分離させることはできない

義務教育で教えられていないが、教えられるべき、重大な危険に関する知識:

メタノール入り密造酒が出回るインドネシア 大量死亡事故が続発 [T-SITE]

混合アルコールとは、メタノールとエタノールを混ぜたものだ。メタノールは人体にとって有害で、飲むと失明の恐れもある。

だがよく考えれば、メタノールはエタノールよりも沸点が低い。ということは、混合アルコールを70℃くらいで蒸留すればメタノールが分離するのではないか…と考えた人物がいた。

結論から言えばこれは間違いで、メタノールとエタノールの水溶液は共沸混合物だから「蒸留で互いを分離させる」ということはできない。そうした化学の知識のない人間が、無責任な密造酒を平気で売りさばいていたのだ。

初出:
Facebook 2016/ 5/27

科学技術の近代化

科学技術には、光と蔭があるが、

科学技術規制にも、光と蔭がある:

史上最悪の農薬は、史上最強の救世主だった リスクとベネフィットの天秤はどちらに傾くのか | JBpress(日本ビジネスプレス)

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1962年、レイチェル・カーソンのベストセラーである『沈黙の春』が出版されたことで、DDTの評価は一変します。

DDTは、生物のホルモンの働きを乱す環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)として作用し、虫を食べる鳥にも害があり、土壌にも長期間残留するとされました。また、発がん性にも疑いがかかり、人間の母乳から検出されたことなどから、危険な農薬の代名詞になってしまったのです。そのため1968年には世界各国で使用が全面的に禁止となりました。

DDTの使用禁止は、もともとマラリア被害が少なかった先進国ではあまり影響はありませんでした。しかし熱帯に位置する発展途上国では大きな惨禍をもたらすことになります。

1946年、DDTが散布されはじめてからセイロンでは急速にマラリア患者が減っています。そして『沈黙の春』が出版された翌年の1963年には患者数は17人と絶滅寸前まで持ってきていたのです。

しかし、世界の世論に押されてその翌年にDDTの使用を中止し、4年経つと患者数は元の木阿弥と言える程度まで戻ってしましました。

下記する各段階の次に進む度に、科学技術は「近代化」してきたのだ。

科学技術の光
 ↓
科学技術の光と蔭
 ↓
科学技術の光と蔭、科学技術規制の光
 ↓
科学技術の光と蔭、科学技術規制の光と蔭

それは、複雑化の歴史、すなわち 矛盾の受容の歴史、考慮領域拡大の歴史である。

1112 合衆国戦略爆撃調査団「広島、長崎に対する原子爆弾の効果」(1946)

知の森 11 原子・核 | [世界を変えた書物] 展

合衆国戦略爆撃調査団
「広島、長崎に対する原子爆弾の効果」, ワシントンD.C., 1946年, 初版.

U.S. Strategic Bombing Survey.
The Effects of Atomic Bombs on Hirosima and Nagasaki. Washington, D. C., 1946. First edition.

1112 U.S. Strategic Bombing Survey (1946)

1112 U.S. Strategic Bombing Survey (1946)

1112 U.S. Strategic Bombing Survey (1946)

1111 ヘンリー・スマイス「合衆国政府助成(1940-1945)のもとに行われた原子力の軍事目的利用開発の概要」(1945)

知の森 11 原子・核 | [世界を変えた書物] 展

ヘンリー・スマイス (1898-)
「合衆国政府助成(1940-1945)のもとに行われた原子力の軍事目的利用開発の概要」, ワシントンD.C., 1945年, 初版.

Smyth, Henry. (1898-)

A General Account of the Development of Methods of using Atomic Energy, for Military Purposes. Washington, D. C., 1945. First edition.

合衆国政府助成(1940-1945) のもとに行われた原子力の軍事目的利用開発の概要

1111 Smyth, Henry (1945)

1111 Smyth, Henry (1945)

大衆の真実は、更新される

迫力満点! 祝祭広場に恐竜がやってきた!! | 阪急阪神百貨店・ライフスタイルニュース

羽毛付きの恐竜模型が一般向けに展示されている。昔からの爬虫類肌ではない。

これは、大衆の真実は、更新されるものであることを示唆する。更新は、正しくなされなければならない。

初出:
Facebook 2016/ 5/ 7

STAP細胞 と iMuSCs

STAP細胞をめぐる「流言」を検討する / 粥川準二 によると、

米テキサス大学医学部ヒューストン校のキンガ・ヴォイニッツ博士らの、「損傷誘導性の筋肉由来幹様細胞」(injury induced muscle-derived stem cell-like cells) iMuSCs の発表について、

同発表は、STAP細胞で言われた体細胞の完全な初期化や多能性の獲得ではなく、部分的な初期化や多能性だそうです。

また、体細胞から遺伝子導入を行なわずに多能性のある細胞をつくろうとした研究は小保方グループ独自のものでなく、何件もあるそうです。

広義の哲学の行為は、宇宙の再生産行為

エネルギーと情報は、重要な2概念だよね。両方とも確率を支配するからさ。

でね、エネルギーと質量は相等する(E=mc2)わけで、宇宙とはエネルギーなわけね。で、宇宙を情報で再現するのが広義の哲学であり、その有効な方法が科学なわけだ。

宇宙を情報で再現できると、宇宙をいくつも作れるんだよね。

つまりは、広義の哲学の行為は、宇宙の再生産行為(より正確には、再生産の企て)なわけだよ。

生物の再生産(生殖)の受益者を遺伝情報に考えたり、ヒトの再生産の受益者をミーム(文化情報)に考えたりする思考に類するものといえるけど、宇宙における受益者は宇宙で、その益とは再生産であり個体数の増加であり、継続的存続なのだ。

初出:
Facebook 2016/ 3/20

技術とは、再現の方法である

技術とは、再現の方法である。

失敗の再現の方法も、技術である。

品質工学の考え方は、ばらつきを減らしてから平均を変化させる、すなわち

(1) 品質をまず管理して、= 再現できるようにして、
(2) それから向上させる = 成功を再現できるようにする

である。

ルイ・アガシー

Jean Louis Rodolphe Agassiz。

19世紀のアメリカにおいて影響力をもっていた博物学者であり、ダーウィンの進化論に最後まで反対した。ルイ・アガシ と表記する場合がある。

「Study nature, not books.」の名言がある。

ルイ・アガシー – Wikipedia

low-calorie paroles: 「人間の測りまちがい」第二章を読んだ

このアガシは動植物をとにかく分類しないと気が済まない人だったらしく、当然人についてもちょっと違いがあれば、分類したい人でした。で、そんな彼がアメリカを訪れた際にはじめて黒人に接してどうもアレルギー反応を起こしたらしく、あいつらは俺たちと同じ人じゃない、という凄まじいきつけを起こしたから大変。帰国後「黒人は白人より劣ってますし、平等にする必要はありませんよ(ドヤ)」と結論するトンデモ論文を発表します…。

ちなみにこのアガシ、本にエピソードが色々載ってるんですが、ひたすら白人最高!(インディアンはカッコイイけど)有色人種は嫌い、怖い、バカ、とメールしてたムカつく人なんですが、「アメリカの白人の若い子たちが黒人の家政婦さんとHしてるー」という苦悩を記した手紙まで本書に掲載され言わば、時空を超えた公開処刑を食らっているので、少しかわいそうではあります。少しね。