忖度(そんたく)。
デジタル大辞泉の解説
[名](スル)他人の心をおしはかること。「相手の真意を忖度する」
大辞林 第三版の解説
( 名 ) スル
〔「忖」も「度」もはかる意〕
他人の気持ちをおしはかること。推察。 「相手の心中を-する」
「忖度」という言葉を、私は、知能工学・デザイン論の分野で使用してきた。
例えば、「ロボットに求められる知能は人の意思を忖度して仕事のできる機能」、エレベーターでは、降りる人の意思を、乗る人がわかりにくい (意志を忖度しづらい)。
そもそも、一般的には使われない言葉である。
しかし、昨今、森友学園問題で、使われる頻度が増えている。
森友学園問題で気になるワード「忖度(そんたく)」が話題 – NAVER まとめ
忖度は、間違う危険がある。慎重に取り扱うべき行為である。
忖度という言葉が、その危険性を意識させずに多用されることは、危険である。
なぜならば、実体を伴わない言葉が、それに対する批判がない中で、凝固する。忖度という言葉の多用が、自分による忖度と他者による忖度を当然だと認識させ、忖度への慎重さを欠かせることが、危険なのだ。忖度を、期待の対象にしてはならない。
繰り返しになるが、忖度は間違う危険がある。その機序(メカニズム)については、下記を参照のこと:
刺激等価性――「空気」の本質。感情移入と非論理をつなげるもの
感情移入への対策は、理由を求めること である。
しかし、何よりも、慎重であることだ。確認を絶やしてはならない。