人類は、どの用途で外部エネルギー源に依存しているか

外部エネルギーの用途は、

第一には、食品調理である。

第二には、暖房である。

第三には、武器である。

第四には、明かりである。

第五には、移動である。

第六には、生産である。

第七には、情報である。

第八には、食品保管 (冷蔵・冷凍)である。

第九には、冷房である。

(人類が実現した順番を意識して配列した)

見事

清水建設の CM の「きっと、見事にできるよね」から、以下を想起した:

見事=良い は、哲学である。

真と美の融合

今井 彰 : プロジェクトX リーダーたちの言葉 (文藝春秋, 2001) p.144.

「図面を描いて美しいと感じる飛行機、それが最も性能の良い飛行機である」土井 [:土井武夫、3式戦「飛燕」を設計] が生涯大切にした航空機設計士としての不変の哲学だった。

人類はその誕生の瞬間からして、その存在を外部エネルギー源に依存している

石井 彰 : エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (NHK出版, 2011) pp.38-40, 54.

「人類はその誕生の瞬間からして、その存在を外部エネルギー源に依存している」と述べたが、この点については、ハーヴァード大学の自然人類学者リチャード・ランガムの次のような仮説による *1。

 動物学的に見て、人類、すなわちホモ・エレクタス以降ホモ・サピエンス(現生人類)までのホモ属をほかの動物全体と比べた場合、その身体的特徴は、消化のための口腔、顎、小腸・大腸、肝臓等の消化器官が相対的に小さく、逆に体の中で、重量当たりで最もエネルギーを必要とする脳が相対的に非常に大きいことである。

 つまり、加熱調理を始めたホモ・エレクタスは、火という外部エネルギー源を道具として利用することによって、消化器官の負担軽減、縮小が可能となり、その余裕で脳の大型化が初めて可能となった。ランガムは、この加熱調理による消化の大きな効率化と、その果実としての脳の大型化が相互作用して、加速度的に人類の身体的な進化が促進されたとしている。

注 1 リチャード・ランガム『火の賜物』NTT出版、二〇一〇年。