朝や昼間のミネルヴァの梟

ある事柄が、それが実現する寸前まで極めて低評価であったが、実現後に高評価になることがある。

開業前、新幹線は世界三大無用の長物だと言われた。

ライト兄弟以前に、ウィリアム・トムソン(ジュール=トムソン効果等の功績。初代ケルヴィン卿)は、「空気より重い機械が空を飛べるわけがない」と言った。

これは、ミネルヴァの梟は、朝や昼間には飛ばない、のだと比喩できる。

ミネルヴァの梟は、黄昏の到来とともにのみ、その翼を拡げる ――朝や昼間には飛ばない。