新製品普及のための5つの条件

槌屋 治紀 : 燃料電池と水素エネルギー 次世代エネルギーの本命に迫る (サイエンス・アイ新書, 2007) p.141.

新製品普及のための5つの条件([米国ニューメキシコ大学教授] ロジャーズ)

(1) 相対的優位性 (リラティブ・アドバンテージ)
 既存のものに比較して有利であること

(2) 互換性 (コンパティビリティ)
 現状から無理なく乗り替えられること

(3) 複雑性 (コンプレキシティ)
 複雑でないこと

(4) 試行可能性 (トライアビリティ)
 すぐに試してみることができること

(5) 視認性 (オブザーバビリティ)
 ほかの人にもその効果が見えること

安全と安定の両立

原発事故をうけて、「安全と安定の両立」という文言が新聞紙上に表れている。

『「安全と安定を両立」しなければならない』ことが顕在化されたことは喜ばしい。

しかし、『いかにして「安全と安定を両立」するのか』。この解を得ることが非常に難しいという認識がもたれなければならないだろう。

安全と安定はトレードオフの関係にある。トレードオフの解決が、両立を可能にする。

しかも、コストに関わる問題であるため、最良の解答が要求される。

複雑なトレードオフ問題を解く手法は、シミュレーションが一般的だが、それにはシミュレーション対象に通じた優秀な頭脳をある程度の期間、投じる必要がある。

実際の制御の役割

● 複数の要素を連係運転させる。

各要素のインプット・アウトプットを制御によって調整しないと、要素間に大きなバッファーをもたせないといけない。バッファー容量(ひいては、全体の容積)の小型化には、性能が高い需給制御が必要である。

● ひとつの要素を維持する、運転を操作する。

ガバナー(調速機)・エンジンコントロールユニットなど。

・多くの測定パラメーターから最適な制御パラメーターを、速い応答速度で求める必要がある場合、
・制御パラメーターを要素に与えてから、それが運転に影響を及ぼすまでに時間が掛かり、要素の内部状態に関して未来予測が必要な場合、
には、制御計算機に高い能力が要求される。