設計図の誕生

橋本 毅彦 : 描かれた技術 科学のかたち―サイエンス・イコノロジーの世界 (東京大学出版会, 2008) p.61.

設計図、部品の寸法と形状をすべて確定し、製造の現場では設計の判断はもはやなされないような設計図面は、一八世紀のフランスの軍事技術者の間で生み出されるようになる。精密に描かれた設計図が作図され、それに正確に合致するような部品を作ることが製造現場に求められる。正確に図面通りにすることで、同一モデルの二つの製品に対応する部品は互換性をもち、交換できるようになる。

なお、大型機械の最終工程に仕上(除去加工を伴う)が不要になり、最終工程が組立だけになったのは、20世紀後半になってからである。